2020年に関しては、米国の安定成長、ユーロ圏全体の緩やかな景気回復、エマージング市場の成長加速などを背景に、世界経済は底堅い成長を続けると予想する。英国の欧州離脱(ブレグジット)や米中貿易摩擦による懸念が後退したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は経済成長のダウンサイド・リスクを抑えるため、またインフレ率上昇のモメンタムを得るために、緩和的な金融政策を維持すると見込まれ、このことは世界の金融市場のセンチメントを支える要因にもなると予想する。堅調な世界経済成長はスプレッド・セクターにとって好材料であり、新年に向かって米国債や先進国市場の国債を再びアウトパフォームすると予想する。以下では、当社の世界経済の見通しの背景にある主な要因、当社の総合型運用におけるポジションの具体例および今日の市場でどこに価値があると見ているかの詳細な説明を提供する。

主要ファクター
米国:経済成長は安定して推移

2019年の米国の経済成長率は2.0%~2.25%前後になったと予想する。最初の3四半期の平均成長率は2.33%であったが、最近の推定によると、2019年10~12月期の成長率はやや鈍化したと見られている。ただし、10月の貿易統計を踏まえると、2019年10~12月期には輸出入の項目が成長率の押し上げ要因となった可能性がある。個人消費が順調に伸びたように思われるため、2019年の成長率は当社の予想をやや上回る可能性もある。成長率に対する唯一のダウンサイド・リスクとしては在庫投資が挙げられるが、これは単なる一過性のものと見ている。

米国の経済指標はそれほどの低調な内容ではない。ソフトデータ(アンケート調査などを基に集計して発表される経済指標)によると、製造業活動はやや弱含みで推移している。一方、生産部門のハードデータ(実際の経済活動の結果を集計して発表される経済指標)によると、2019年上旬には一部に弱さが見られたものの、最近では状況が明らかに安定または改善しており、2020年に入ってもこうした改善傾向が続くと予想する。全体的に見ると、2020年の成長率は2019年の水準からやや減速するに過ぎず、2%前後になると見込んでいる。

FRBに関しては、ジェローム・パウエル議長は最近の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、インフレ率が目標の2%を下回っている状況を注視していると述べ、インフレ率を押し上げるための追加利下げに含みを持たせる姿勢を示した。パウエル議長は、即座に利下げに踏み切ることを示唆しておらず、それがFOMCの現在の基本シナリオであるとも述べていない。ただし、FOMCでハト派姿勢を強めたため、将来的に追加利下げが実施される可能性は残されている。

欧州:景気回復の兆し
Estimated Growth Rates

2020年に関しては、主にドイツとイタリアの経済がある程度改善することで、ユーロ圏全体の景気が緩やかに回復する(1.2%近辺)と見ている。こうした見方は前四半期からほぼ変化していないが、政治や金融政策の面では見方がやや変化した。イタリアでは2020年1~3月期に予定されている地方選挙の結果によっては連立政権が崩壊するリスクがあり、成長が回復すると想定していた見方に対するダウンサイド・リスクが生じている。一方、ドイツでは政治をめぐる不透明感や、政治シナリオにおけるモメンタムの欠如により、国レベルで政治が停滞する可能性がある。一方、欧州レベルでは、ドイツは2020年下半期に欧州連合(EU)の議長国を務める予定であるため、多くの未解決の課題に関して活発な議論が行われると当社では予想しており、状況が進展する可能性がある。そのような未解決の課題の事例としては、資本市場同盟(CMU)、サービスの共同市場、欧州預金保険スキームの創設などがある。

金融政策に関しては、欧州中央銀行(ECB)総裁の交代を機に政策の検証が行われ、正式な金融政策戦略がまもなく見直される見込みであり、これは2020年末までに完了すると予想される。前四半期以降、ECBによる追加利下げのハードルがさらに高まっており、経済が最悪の状況を脱したように思われる現在では、利下げのハードルは非常に高いと当社では考えている。実際に、クリスティーヌ・ラガルドECB新総裁は就任後初の記者会見で、経済指標の改善やダウンサイド・リスクの後退に言及した。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げを停止した可能性がある。とは言うものの、ECBにとって利上げよりも利下げの方がまだ可能性は高いと思われる(ただし、当社の短期的な見通しとしてはどちらの可能性も低い)。

英国では、金融市場はボラティリティが引き続き高く、貿易交渉の行方に反応するだろう。当社は2020年のマクロ経済見通しはある程度明るいと考える。2019年下半期に実質的な停滞状態にあった成長率は、政府の追加支出や企業の投資の一部再開を背景に1.5%近辺に回復する見込み。EU離脱を決めた国民投票から3年半が経ったが、ブレグジットは離脱派・残留派の両者の妥協が必要であることから離脱期限直前になっても交渉が続いており、投資家の不安心理は続くと考える。このような不透明感はあるが、当社は引き続き英国の社債と英ポンドについて建設的な見通しを維持する。

エマージング市場:成長が加速する見通し

国際通貨基金(IMF)の最新の予測によると、エマージング市場の成長率は2020年に4.6%となり、3年ぶりの高水準に加速すると見込まれる。中国を除くほとんどの主要エマージング諸国では、中央銀行の積極的な金融緩和政策や、米中貿易摩擦の後退などを背景に、景気が回復すると予想される。注目すべきは、エマージング諸国全体にわたりインフレ・リスクが後退していることである。実際に、バリュエーションの観点からすると、エマージング市場の実質利回りは魅力的であり、現時点では先進国市場の実質利回りを平均で約170ベーシス・ポイント(bp)上回っている。需給の観点からすると、エマージング市場の資産は、テーパー・タントラム以前の期間と比べて過剰に保有されているとは見ていない(テーパー・タントラムとは、2013年5月に当時のバーナンキFRB議長が量的緩和縮小を示唆したことを受け、金融市場が混乱した現象)。エマージング市場に関しては、ファンダメンタルズが堅調であり、かつ公的制度が整備されている一部のエマージング諸国に注目しており、構造改革や政策の柔軟性によって景気の回復が見込まれる国を選好する。具体的には、インドネシアやロシアなどの高格付け国、及び経済が成長している湾岸諸国の一部のクレジットなどに注目している。クロスオーバー戦略では、先進国市場のクレジットの「準リスク・フリー」のバリュエーションと比較して、エマージング市場のクレジットは分散効果を提供している。確かに、エマージング市場の成長にとって最も懸念すべきマクロ要因は、貿易摩擦が深刻化した場合に不透明感が再び高まるリスクである。

原油市場:地政学的リスクが再燃

ここ最近において中東情勢が緊迫化している。米軍の空爆によってイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が殺害され、これに対してイランはイラクの米軍基地を報復攻撃した。仮に米国がさらなる挑発行為に及ぶならば、イランはさらに激しい報復措置を行うと警告した。こうした状況を受け、世界の原油市場は新たなリスク・プレミアムを織り込む展開となった。2019年7~9月期にサウジアラビアの石油施設2カ所がドローン攻撃を受けた際には、原油価格が大きく変動した。一方、今回の出来事により、短期的な需給ファンダメンタルズが大きく変わる可能性がある。今回の出来事を受け、ブレント原油とWTI原油のスポット価格はそれぞれ3.6%、3.4%上昇したが、米国とイランが軍事衝突を望まない姿勢を示したことから、原油価格は下落に転じた。市場では、十分な原油供給、長期的な需要の減少、将来の生産に対する生産者による継続的なヘッジなどが懸念されているため、期先のWTI原油先物価格については、2021年及び2022年の平均がそれぞれ小幅な上昇(0.5%)及び横ばいとなった。

WTI原油価格は1バレル60~65米ドルのレンジで高止まりすると当社では考えている。

将来的には様々なシナリオが想定されるが、地政学的リスク・プレミアムの上昇を考慮すると、WTI原油価格は1バレル60~65米ドルのレンジで高止まりすると当社では考えている。仮に中東情勢がさらに緊迫化し、サウジアラビアとイラク(それぞれ世界第2位及び第5位の産油国)の原油供給体制に深刻な影響が及んだ場合、期近及び期先の原油先物価格はより大幅に上昇する可能性があると予想する。

今回の出来事が起こる前、原油市場は2020年に比較的安定して推移すると予想されていた。底堅い原油需要の伸び、米国の生産量の伸びの鈍化、石油輸出国機構(OPEC)による追加減産の表明、地政学的リスクの継続など全てが、原油価格の下支え要因となっていた。米中通商協議が「第1段階」の合意に至ったことや、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の実施法案が米下院で可決されたことを受け、貿易摩擦や景気減速に対する懸念が後退したため、原油の需要見通しが改善した。

供給サイドのリスクを踏まえると、WTI原油価格は短期的に高水準で(不安定に)推移すると見込まれるが、今後の経済活動の減速を背景に需要の伸びが鈍化する可能性もあるため、中長期的には1バレル50~55米ドルのレンジに戻ると予想する。期近の原油先物価格が上昇した場合、米国の生産者はヘッジ・ポジションを2020年及び2021年に延長することが可能となるため、キャッシュフローが短期的に増加する可能性がある。

アウトルック

先進国市場:地域別レラティブ・バリュー

カナダ: カナダのイールドカーブはマネーマーケット金利を通じて取引されており、ダウンサイド・リスクを反映している。ただし、これによってカナダの債券への関心が制限され、リターンが抑えられる可能性がある。長期債は以前ほど魅力的ではないように思われるが、それでも米国債と比べると相対価値が高い。
米国: インフレ率が2%の目標値を持続的に上回るまで、FRBは利上げを行わないと予想。デュレーションロングを維持し、各年限の米国債に分散投資を行う。長期債はスプレッドリスクに対するヘッジとしても効果があると見ている。
英国: 英国とEUがブレグジットに関して何らかの合意に達した場合、英国債利回りが上昇し、英ポンドが上昇すると予想。英国の総選挙の結果は短期的には市場の上昇要因となっているが、ブレグジットに関連する財政支出の規模が明確になるに従い、英国債のイールドカーブはスティープ化する可能性がある。
欧州: ECBによる資産購入プログラム再開が利回り低下要因となると見ている。ただし、購入規模は月額200億ユーロと、以前より小規模にとどまる見通しのため、利回り低下圧力は以前ほど強くならないと思われる。成長見通しは徐々に改善しているが、グローバル債券は依然として割高と見ている。
日本: 日銀は国債買い入れオペを減額する可能性があり、イールドカーブ(特に超長期)はスティープ化すると予想。
オーストラリア: 未解決の外的リスクを踏まえ、デュレーションの管理を積極的に行う。クレジットのオーバーウエイト・ポジションをヘッジするため、イールドカーブのフラット化を見込んだポジションを維持する。準国債、国際機関債、ソブリン債、及びエージェンシー債などの高格付けセクターの間でローテーションを行い、現在では準国債を選好している。
エマージング市場についてはセクター別レラティブ・バリュー参照
米国 2019年のGDP成長率は2.00%~2.25%と予想。ソフトデータ(アンケート調査などを基に集計して発表される経済指標)によると、製造業活動はやや弱含みで推移している。一方、生産部門のハードデータ(実際の経済活動の結果を集計して発表される経済指標)によると、2019年上旬には一部に弱さが見られたが、最近は状況が明らかに安定または改善しており、2020年に入っても改善傾向が続くと予想する。2020年の成長率は、2%前後の見込み。
カナダ 生産能力の制約によって経済が伸び悩んでいるが、米国の貿易をめぐるリスクは低下すると見込まれる。今後も現在の景気サイクルが続く可能性があり、インフレ率は目標値に近い水準で推移し、カナダ銀行は政策金利を据え置くと予想。予期せぬ悪材料が発生(ただし、これらは外的ショックである可能性が高い)したとしても、十分な政策対応が行われると見込まれる。
欧州 2020年は、ドイツ・イタリアの成長などを背景に、ユーロ圏全体の緩やかな景気回復を続けると予想する。前四半期以降、ECBによる追加利下げのハードルがさらに高まっており、経済が最悪の状況を脱したように思われる現在では、利下げのハードルは非常に高いと当社では考えている。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げを停止した可能性があるとは言うものの、ECBにとって利上げよりも利下げの方がまだ可能性は高いと思われる(ただし、当社の短期的な見通しとしてはどちらの可能性も低い)。
英国 総選挙でボリス・ジョンソン率いる保守党が過半数を大幅に上回って大勝し、英国は2020年第1四半期中のEU離脱(ブレグジット)の道筋がついたと考える。この問題をめぐる市場の懸念はひとまず後退したことから成長見通しを引き上げて1.5%とする見込み。ECBは2020年に利上げを慎重に行うものと思われる。
日本 堅調な個人消費、設備投資、景気刺激策の可能性などを踏まえ、日本経済に対しては前向きな見方を維持。消費税率引き上げに伴う悪影響は限定的にとどまると予想。日銀は2%のインフレ目標を達成するべく、しばらくの間は緩和政策を維持すると考える。追加の金融緩和は現時点で予想できない。
オーストラリア 政府支出と輸出が2019年の経済成長に大きく貢献したが、今後は個人消費が拡大すると予想。住宅価格や可処分所得の回復を受け、消費者信頼感が改善した。財政刺激策に関する政府の計画は棚上げされている。オーストラリア準備銀行は2020年上半期に追加利下げを検討する可能性があるが、当社では量的緩和は必要ないと考えており、量的緩和による効果はほとんどないと見ている。

セクター別レラティブ・バリュー

投資適格社債
米国
見通し 各国中央銀行による緩和的な金融政策の継続、世界中でマイナス利回りの増加を踏まえ、新年に向けてリスク資産を保有することが望ましいと考える。米国の投資適格社債インデックスのスプレッドは期初の111bpから12月半ばには91bpまで縮小した。引き続き、食品・飲料、ヘルスケア/製薬、及び自動車セクターに対しては慎重な見方を維持する。
レラティブ・バリュー +/– 銀行、エネルギー、金属・鉱業などのセクターを引き続き注目している。これらのセクターのファンダメンタルズは継続して堅調、また関税関連リスクによる影響を受けにくく、格付け会社による一層の格上げが見込まれる。
欧州
見通し 欧州の投資適格社債のファンダメンタルズは、自動車と小売りセクターを除き、比較的好調。需給環境も堅調で、マイナス利回りの環境や、ECBが社債購入プログラムを再開が、投資適格社債に対する需要の後押しとなっている。低金利環境を踏まえると、バリュエーションは魅力的だが、過去の水準と比べると依然として割高。
レラティブ・バリュー +/- 全体的に慎重なポジショニングを維持。公益セクターや景気循環セクターの銘柄よりも、金融やREITセクターの銘柄を選好。
オースト ラリア
見通し 収益力が堅調な状況でも経営陣がバランスシートに対して保守的な姿勢を維持しているため、企業ファンダメンタルズは依然良好。新規発行と満期が2020年まで限定的である見通しも需給面を後押しするだろう。
レラティブ・バリュー + 金融、REITや公益セクターの中でも規制条件を満たしている事業のオーバーウエイトを維持。スプレッドリスクを抑制するためデュレーションは短めとする。
ハイ・イールド社債
米国
見通し 安定した企業ファンダメンタルズ、良好な需給環境、FRBの緩和姿勢などを背景にスプレッドがさらに縮小し、バリュエーションは適正水準近辺。世界経済の減速、地政学リスクの上昇、選挙リスク、クレジットサイクルの後半にあることなどによる懸念から、低格付けの発行体に対して慎重な姿勢を維持。
レラティブ・バリュー +/- 豊富な資産を有するサブ・セクターや、資本市場へのアクセスを確保している企業に投資妙味があると見ている。新規発行市場において、明確なプラス要因のある銘柄を厳選して購入している。CCC格以下の債券のアンダーウエイトを維持。
欧州
見通し 欧州の経済環境は悪化しており、ファンダメンタルズにも影響が出始めている。マイナス金利政策が導入されていることを踏まえると、需給環境は依然として良好だが、割安感は低下している。借り換え目的の新規発行が多く、新発債の格付けは概ねBB格及びB格となっている。今後もこうした傾向が続き、結果としてCCC格の発行が減少すると予想する。
レラティブ・バリュー +/– 格付け見通しが「ネガティブ」の企業が増加しており、発行体間で格差が拡大している。新発債及びセカンダリー市場の投資機会に対してオポチュニスティックなアプローチを取る。
バンクローン
米国
見通し 金利が安定するか、またはFRBがさらにハト派寄りの姿勢を示した場合、この資産クラスに個人投資家の資金が流入する可能性がある。キャリートレードの対象としてバンクローンは引き続き魅力的であり、CLOからの需要や低水準の新規発行パイプラインなどを踏まえると、価格の上昇が見込まれる。バンクローンは相対的に魅力度が高いため、ハイ・イールド債のクロスオーバー口座やマルチアセット・クレジット口座ではバンクローンへの配分を増やしている。これにより、B格のバンクローンの価格は上昇している。
レラティブ・バリュー + 2020年1~3月期の新規発行は低水準になると見込まれ、潤沢なキャッシュを有する投資家がこのことに注目している中で、バンクローン市場は12月に上昇し始めた。B格のバンクローンに投資機会があると引き続き見ている。価格が額面以上の高格付けバンクローンでは価格下落リスクがあるため、投資家は流通市場で価格がより魅力的なB格のバンクローンに配分を切り替える可能性がある。
CLO
米国
見通し CLOのBBB/BB格トランシェは直近のスプレッドが縮小したにもかかわらず、ローン/ハイ・イールド債と比べると引き続き割安である。AAA/AA格のCLOはその他の同等格付けの商品と比べて割安であるように見える。CLOの供給は高水準であるため、AAA格のスプレッドは引き続きレンジ内で推移すると見る。BBB/BB格のスプレッドは、マクロ経済情勢やハイ・イールド債/バンクローンの価格動向による影響を受ける予想。 低 格付けCLOは、新規発行市場と流通市場の間で価格差が生じると考え、これにより投資機会がもたらされる可能性がある。
レラティブ・バリュー + 短期のAAA格のCLOを選好しており、スプレッド・デュレーションの長いAAA格の新発債に対するバーベル取引に注目している。低格付けのメザニン・トランシェでは、セカンダリー市場に投資機会がある。新規発行案件は市場よりもスプレッドが縮小した水準で組成される可能性があるが、キャリートレードの対象として9%前後の高い利回りが見込まれる。
ストラクチャード・プロダクト
エージェンシーMBS
見通し スプレッドがワイドな水準で、中央銀行が緩和政策を継続する見込みから、モーゲージに対して強気である。
レラティブ・バリュー +/– 米国債よりもMBSに対して強気であり、低クーポンのエージェンシーCMBSを選好。
ノン・エージェンシーRMBS
見通し 住宅市場のファンダメンタルズは健全とみている。住宅価格は妥当とみられる水準で下支えされていることから、向こう数年間は小幅上昇し、下振れリスクは限定的と予想。クレジット基準は記録的に厳格な水準で、新規組成ローンの質は高い。
レラティブ・バリュー + ファニーメイ・フレディ・マックなどのGSEの信用リスク、最近発行されたノン・エージェンシーローン、リパフォーミングローン・証券に対し、強気を維持。
ノン・エージェンシーCMBS
見通し 商業用不動産のファンダメンタルズや景気見通しが良好であることから、CMBS市場に強気姿勢を据え置く。ただし、不動産の種類や市場に応じて、見通しは一様ではないと予想する。
レラティブ・バリュー + デュレーションが短く、ストラクチャーが保守的で、シングルボロワー型ローンや証券化に対し、強気。コンデュイット型では、AAA格の債券に妙味があると考える。
資産担保証券(ABS)
見通し 消費者ローンのファンダメンタルズおよびレバレッジ状況に基づき、強気姿勢を据え置く。十分なプロテクションがあるオフザランセクターには投資機会があり、魅力的なリスク・リターンを提供していることが背景。
レラティブ・バリュー +/– オフザランで高格付けのシニアABSセクター(政府保証民間(FFELP)学生ローン、オートディーラー向けフロアプラン、レンタカー等)に対し、強気を維持。
インフレ連動債
米国
見通し インフレ連動債のブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)スプレッド水準はFRBのインフレ目標を大幅に下回っている。FOMCではインフレ動向について毎回議論しているが、それによるブレーク・イーブン・インフレ率への影響は徐々に弱まっている。コア消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率が鈍化していることを踏まえると、インフレ連動債への資金流入は限定的になると考える。ただし、長期的にはインフレ期待が上昇する可能性もあると見ている。
レラティブ・バリュー +/– 短期的には、米国ではインフレ連動債のオーバーウエイトと名目債の戦術的ポジションを組み合わせ、全体のデュレーションを管理する。
欧州
見通し 欧州のBEIスプレッドは、ほとんどの先進国市場と同様に低水準で推移している。2020年の総合インフレ率は平均1.20%と予想しているが、これはスワップ市場とキャッシュ市場が織り込んでいる水準よりも低い。ECBによるインフレ連動債の買い入れは価格の上昇要因になると見ている。
レラティブ・バリュー + インフレ連動債のポートフォリオとグローバルのポートフォリオでは、フランスとイタリアのブレーク・イーブン・インフレ率スプレッドをロングしている。
日本
見通し 日本のブレーク・イーブン・インフレ率スプレッドは0.1%前後まで低下しており、これはフロア・オプション価値をさらに下回る水準である。一方、労働市場の逼迫などを背景に、日本のインフレ率は徐々に上昇し、2020年には1%に達すると予想する。したがって、日本のインフレ連動債は極めて割安であると考える。
レラティブ・バリュー + 日本では名目利回りに対する実質利回りのオーバーウエイトを維持する。
地方債
米国
見通し 地方債市場のファンダメンタルズは全体的に堅調との見方を維持。背景には、堅調な需給面、低い失業率、税収の改善、穏当な歳出案等の要因がある。短期の地方債のバリュエーションは適正な水準であり、さほど妙味がないが、中長期債にはより妙味がある。
レラティブ・バリュー + インカムの確保に努めており、運輸、産業開発、及び上下水道などのセクター内で、投資適格の中でも格付けの低い発行体に注目している。状況に応じて、非投資適格の発行体も投資対象としている。イールドカーブのポジショニングは、中長期債を引き続きオーバーウエイトしている。
エマージング債
米ドル建て
エマージング
ソブリン債
見通し 供給の観点からすると、純発行の大半は引き続き湾岸協力会議(GCC)加盟国やフロンティア諸国などのソブリン債の発行によるものとなり、セクターの見通しや関連性が高まると予想する。世界的にポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭している状況を見守っており、政治・財政的問題を乗り越える国の能力を評価する際には、当初の金融情勢を重視する。
レラティブ・バリュー + 一部の投資適格および湾岸協力会議加盟国を含む非投資適格のソブリン債は、依然としてキャリーの観点から妙味があるが、BBB格のソブリン債のバリュエーションはより適正な水準であるように思われる。新規発行のニーズや選挙をめぐる動向などを踏まえると、非投資適格のソブリン債とフロンティア市場のソブリン債との間にパフォーマンス格差が生じる可能性がある。
現地通貨建て
エマージング債
見通し エマージング通貨が安定的から強含みであることから、引き締め政策への圧力は緩和され、そのことがエマージング諸国と先進諸国間の実質金利スプレッドの縮小をもたらすはずである。米国の財政刺激策の効果が消滅し、中国が景気刺激策を再び導入したことも、グローバルの経済成長率が再び足並みを揃えることに寄与すると考える。当社の見方では、こうした要因が積み重なっていることは、現地通貨建てエマージング債の下支え要因となろう。
レラティブ・バリュー +/- 実質金利が高く、エマージング諸国の中央銀行がハト派寄りになる見通しから、現地通貨建ての金利リスクが最も妙味があるとみている。インドネシア、インド、ブラジルやロシアなど、インフレが落ち着いていて安定した国々の現地通貨建て債券を選好する。
エマージング社債
見通し 高格付けのエマージング社債はレバレッジが低く、バランスシートが保守的に管理されているため、グローバル・クレジット・ユニバースの中では、高格付けのエマージング社債がディフェンシブなセクターであるとの見方を維持する。
市場全体としては旺盛な債券発行が見られるが、中国を除くエマージング市場における社債の正味発行額は極めて低く、需給関係は良好である。
レラティブ・バリュー + エマージングの投資適格社債は、スプレッドの厚さ、デュレーションの短さ、BBB格社債の需給面が良好なことから、米国投資適格社債に対して相対的に妙味がある。ハイ・イールド社債については、資金調達に対する不安の少ない国で事業を行っているBB格の企業や、外貨収入を得ている企業を選好している。
見通し レラティブ・バリュー
投資適格社債
米国 各国中央銀行による緩和的な金融政策の継続、世界中でマイナス利回りの増加を踏まえ、新年に向けてリスク資産を保有することが望ましいと考える。米国の投資適格社債インデックスのスプレッドは期初の111bpから12月半ばには91bpまで縮小した。引き続き、食品・飲料、ヘルスケア/製薬、及び自動車セクターに対しては慎重な見方を維持する。 +/– 銀行、エネルギー、金属・鉱業などのセクターを引き続き注目している。これらのセクターのファンダメンタルズは継続して堅調、また関税関連リスクによる影響を受けにくく、格付け会社による一層の格上げが見込まれる。
欧州 欧州の投資適格社債のファンダメンタルズは、自動車と小売りセクターを除き、比較的好調。需給環境も堅調で、マイナス利回りの環境や、ECBが社債購入プログラムを再開が、投資適格社債に対する需要の後押しとなっている。低金利環境を踏まえると、バリュエーションは魅力的だが、過去の水準と比べると依然として割高。 +/- 全体的に慎重なポジショニングを維持。公益セクターや景気循環セクターの銘柄よりも、金融やREITセクターの銘柄を選好。
オースト ラリア 収益力が堅調な状況でも経営陣がバランスシートに対して保守的な姿勢を維持しているため、企業ファンダメンタルズは依然良好。新規発行と満期が2020年まで限定的である見通しも需給面を後押しするだろう。 + 金融、REITや公益セクターの中でも規制条件を満たしている事業のオーバーウエイトを維持。スプレッドリスクを抑制するためデュレーションは短めとする。
ハイ・イールド社債
米国 安定した企業ファンダメンタルズ、良好な需給環境、FRBの緩和姿勢などを背景にスプレッドがさらに縮小し、バリュエーションは適正水準近辺。世界経済の減速、地政学リスクの上昇、選挙リスク、クレジットサイクルの後半にあることなどによる懸念から、低格付けの発行体に対して慎重な姿勢を維持。 +/- 豊富な資産を有するサブ・セクターや、資本市場へのアクセスを確保している企業に投資妙味があると見ている。新規発行市場において、明確なプラス要因のある銘柄を厳選して購入している。CCC格以下の債券のアンダーウエイトを維持。
欧州 欧州の経済環境は悪化しており、ファンダメンタルズにも影響が出始めている。マイナス金利政策が導入されていることを踏まえると、需給環境は依然として良好だが、割安感は低下している。借り換え目的の新規発行が多く、新発債の格付けは概ねBB格及びB格となっている。今後もこうした傾向が続き、結果としてCCC格の発行が減少すると予想する。 +/– 格付け見通しが「ネガティブ」の企業が増加しており、発行体間で格差が拡大している。新発債及びセカンダリー市場の投資機会に対してオポチュニスティックなアプローチを取る。
バンクローン
米国 金利が安定するか、またはFRBがさらにハト派寄りの姿勢を示した場合、この資産クラスに個人投資家の資金が流入する可能性がある。キャリートレードの対象としてバンクローンは引き続き魅力的であり、CLOからの需要や低水準の新規発行パイプラインなどを踏まえると、価格の上昇が見込まれる。バンクローンは相対的に魅力度が高いため、ハイ・イールド債のクロスオーバー口座やマルチアセット・クレジット口座ではバンクローンへの配分を増やしている。これにより、B格のバンクローンの価格は上昇している。 + 2020年1~3月期の新規発行は低水準になると見込まれ、潤沢なキャッシュを有する投資家がこのことに注目している中で、バンクローン市場は12月に上昇し始めた。B格のバンクローンに投資機会があると引き続き見ている。価格が額面以上の高格付けバンクローンでは価格下落リスクがあるため、投資家は流通市場で価格がより魅力的なB格のバンクローンに配分を切り替える可能性がある。
CLO
米国 CLOのBBB/BB格トランシェは直近のスプレッドが縮小したにもかかわらず、ローン/ハイ・イールド債と比べると引き続き割安である。AAA/AA格のCLOはその他の同等格付けの商品と比べて割安であるように見える。CLOの供給は高水準であるため、AAA格のスプレッドは引き続きレンジ内で推移すると見る。BBB/BB格のスプレッドは、マクロ経済情勢やハイ・イールド債/バンクローンの価格動向による影響を受ける予想。 低 格付けCLOは、新規発行市場と流通市場の間で価格差が生じると考え、これにより投資機会がもたらされる可能性がある。 + 短期のAAA格のCLOを選好しており、スプレッド・デュレーションの長いAAA格の新発債に対するバーベル取引に注目している。低格付けのメザニン・トランシェでは、セカンダリー市場に投資機会がある。新規発行案件は市場よりもスプレッドが縮小した水準で組成される可能性があるが、キャリートレードの対象として9%前後の高い利回りが見込まれる。
ストラクチャード・プロダクト
エージェンシーMBS スプレッドがワイドな水準で、中央銀行が緩和政策を継続する見込みから、モーゲージに対して強気である。 +/– 米国債よりもMBSに対して強気であり、低クーポンのエージェンシーCMBSを選好。
ノン・エージェンシーRMBS 住宅市場のファンダメンタルズは健全とみている。住宅価格は妥当とみられる水準で下支えされていることから、向こう数年間は小幅上昇し、下振れリスクは限定的と予想。クレジット基準は記録的に厳格な水準で、新規組成ローンの質は高い。 + ファニーメイ・フレディ・マックなどのGSEの信用リスク、最近発行されたノン・エージェンシーローン、リパフォーミングローン・証券に対し、強気を維持。
ノン・エージェンシーCMBS 商業用不動産のファンダメンタルズや景気見通しが良好であることから、CMBS市場に強気姿勢を据え置く。ただし、不動産の種類や市場に応じて、見通しは一様ではないと予想する。 + デュレーションが短く、ストラクチャーが保守的で、シングルボロワー型ローンや証券化に対し、強気。コンデュイット型では、AAA格の債券に妙味があると考える。
資産担保証券(ABS) 消費者ローンのファンダメンタルズおよびレバレッジ状況に基づき、強気姿勢を据え置く。十分なプロテクションがあるオフザランセクターには投資機会があり、魅力的なリスク・リターンを提供していることが背景。 +/– オフザランで高格付けのシニアABSセクター(政府保証民間(FFELP)学生ローン、オートディーラー向けフロアプラン、レンタカー等)に対し、強気を維持。
インフレ連動債
米国 インフレ連動債のブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)スプレッド水準はFRBのインフレ目標を大幅に下回っている。FOMCではインフレ動向について毎回議論しているが、それによるブレーク・イーブン・インフレ率への影響は徐々に弱まっている。コア消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率が鈍化していることを踏まえると、インフレ連動債への資金流入は限定的になると考える。ただし、長期的にはインフレ期待が上昇する可能性もあると見ている。 +/– 短期的には、米国ではインフレ連動債のオーバーウエイトと名目債の戦術的ポジションを組み合わせ、全体のデュレーションを管理する。
欧州 欧州のBEIスプレッドは、ほとんどの先進国市場と同様に低水準で推移している。2020年の総合インフレ率は平均1.20%と予想しているが、これはスワップ市場とキャッシュ市場が織り込んでいる水準よりも低い。ECBによるインフレ連動債の買い入れは価格の上昇要因になると見ている。 + インフレ連動債のポートフォリオとグローバルのポートフォリオでは、フランスとイタリアのブレーク・イーブン・インフレ率スプレッドをロングしている。
日本 日本のブレーク・イーブン・インフレ率スプレッドは0.1%前後まで低下しており、これはフロア・オプション価値をさらに下回る水準である。一方、労働市場の逼迫などを背景に、日本のインフレ率は徐々に上昇し、2020年には1%に達すると予想する。したがって、日本のインフレ連動債は極めて割安であると考える。 + 日本では名目利回りに対する実質利回りのオーバーウエイトを維持する。
地方債
米国 地方債市場のファンダメンタルズは全体的に堅調との見方を維持。背景には、堅調な需給面、低い失業率、税収の改善、穏当な歳出案等の要因がある。短期の地方債のバリュエーションは適正な水準であり、さほど妙味がないが、中長期債にはより妙味がある。 + インカムの確保に努めており、運輸、産業開発、及び上下水道などのセクター内で、投資適格の中でも格付けの低い発行体に注目している。状況に応じて、非投資適格の発行体も投資対象としている。イールドカーブのポジショニングは、中長期債を引き続きオーバーウエイトしている。
エマージング債
米ドル建て
エマージング
ソブリン債
供給の観点からすると、純発行の大半は引き続き湾岸協力会議(GCC)加盟国やフロンティア諸国などのソブリン債の発行によるものとなり、セクターの見通しや関連性が高まると予想する。世界的にポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭している状況を見守っており、政治・財政的問題を乗り越える国の能力を評価する際には、当初の金融情勢を重視する。 + 一部の投資適格および湾岸協力会議加盟国を含む非投資適格のソブリン債は、依然としてキャリーの観点から妙味があるが、BBB格のソブリン債のバリュエーションはより適正な水準であるように思われる。新規発行のニーズや選挙をめぐる動向などを踏まえると、非投資適格のソブリン債とフロンティア市場のソブリン債との間にパフォーマンス格差が生じる可能性がある。
現地通貨建て
エマージング債
エマージング通貨が安定的から強含みであることから、引き締め政策への圧力は緩和され、そのことがエマージング諸国と先進諸国間の実質金利スプレッドの縮小をもたらすはずである。米国の財政刺激策の効果が消滅し、中国が景気刺激策を再び導入したことも、グローバルの経済成長率が再び足並みを揃えることに寄与すると考える。当社の見方では、こうした要因が積み重なっていることは、現地通貨建てエマージング債の下支え要因となろう。 +/- 実質金利が高く、エマージング諸国の中央銀行がハト派寄りになる見通しから、現地通貨建ての金利リスクが最も妙味があるとみている。インドネシア、インド、ブラジルやロシアなど、インフレが落ち着いていて安定した国々の現地通貨建て債券を選好する。
エマージング社債 高格付けのエマージング社債はレバレッジが低く、バランスシートが保守的に管理されているため、グローバル・クレジット・ユニバースの中では、高格付けのエマージング社債がディフェンシブなセクターであるとの見方を維持する。
市場全体としては旺盛な債券発行が見られるが、中国を除くエマージング市場における社債の正味発行額は極めて低く、需給関係は良好である。
+ エマージングの投資適格社債は、スプレッドの厚さ、デュレーションの短さ、BBB格社債の需給面が良好なことから、米国投資適格社債に対して相対的に妙味がある。ハイ・イールド社債については、資金調達に対する不安の少ない国で事業を行っているBB格の企業や、外貨収入を得ている企業を選好している。