当社は基本シナリオとして、世界経済が「U字型」の回復を辿り、景気は短期的な難局に直面するものの、その後は世界的に回復が続くと予想している。新型コロナウイルスの新規感染者数が最近急増したことを受け、多くの国で規制が強化されており、短期的に経済成長の重石となる可能性が高い。しかし、ここにきて複数のワクチンが規制当局に認可され多くの国で接種を急ピッチで進めており、さらに現行の大規模な経済政策も相まって、景気回復は今年後半に加速すると予想される。世界的にインフレ圧力が抑えられていること、世界の成長は依然として脆弱であるという認識、そして下振れリスクの持続性などを踏まえると、各国中央銀行は大規模な金融緩和を維持すると予想する。当社のポートフォリオでは、基本シナリオからの利益を享受しつつ、さらなる市場ボラティリティにも耐え得るポジショニングを維持し、魅力的な投資機会に迅速に対応できるよう、柔軟性の高い運用に努めている。以下では、当社の世界経済の見通しの背景にある主な要因およびグローバル債券市場でどこに投資妙味が高いと見ているかの詳細な説明を提供する。

主要ファクター
米国: 景気回復は進んでいるが、新型コロナウイルスの再拡大により、一部セクターでは稼働を停止
US Recovery

ここ数カ月、米国では概ね景気回復が続いており、当社は向こう数カ月もこの傾向が続くとみる。経済成長は昨年の目覚ましいペースから鈍化しているが、大方のセクターの経済活動は新型コロナウイルス前の水準に再び近づきつつある。その他のセクターにおいては、企業に対する制約や消費者の不安によって経済活動の抑制が続いている。

全般的な需要は製造・建設セクターの大半で新型コロナウイルス前の水準に戻っているか上回っている。しかし、生産や雇用は完全には回復しておらず、回復途上にある。厳しい制約の下で稼働し、また、数週間前より再度の稼働停止を強いられており、回復までにはなお問題がある。国民の多くがワクチン接種を受け、集団免疫に類する状態を獲得するまでは回復ペースが力強さを増すとは考えにくい。

2020年や現在のFRBによる積極的な緩和策がインフレ圧力を生み出している兆候はない。

こうしたなか、FRBの金融政策は超緩和的に留まる可能性が高い。今回の新型コロナウイルスの問題は金融市場とは何ら関係は無く、金融政策が新型コロナウイルスの問題を解決してくれるわけではない。ただし、FRBが何も打つ手がないということではなく、むしろ、2020年にFRBがとった行動が2008年以後と同様に景気・物価にとって概ね軽微だったことは好材料と思われる。言い換れば、2020年や現在のFRBによる積極的な緩和策がインフレ圧力を生み出している兆候はない。とはいえ、金融市場の参加者の間ではインフレ期待が高まっている。

民主党は大統領選で勝利し、その上、上下両院でも多数党となった。このため、バイデン大統領にとってこの1~2年は比較的自由に各種法案を通過させやすくなる可能性が高い。ただし、当面は新型コロナウイルス問題が政権の主要課題になるとみられ、また、増税に関してもバイデン大統領が選挙中に明確な形で主要政策として取り上げたわけではなかった(一部の支持基盤向けのコメントを除く)。そして、バイデン政権が今年打ち出す財政措置は一連のインフラ整備計画になる公算が大きい。一部にはその効果に期待する向きもあろうが、こうした政策が経済成長を促進、また結果的に金利引き上げとなるかどうかは疑わしい。

欧州:国により大きなばらつきがあるが回復の見込み
Europe Rebound

欧州では2020年に急激な景気後退が見られた後、2021年には国により大きなばらつきはあるものの、経済は回復へ向かうと予想する。ただし、回復の道のりは国によって差異が出る見込みである。この違いは潜在的な回復力の相違、ワクチン供給の速度の相違や財政政策の相違によってもたらされる。依然として大幅な財政赤字を計画している国もあれば、既に慎重な姿勢へと移行している国もある。総合的に見て、当社は欧州が2022年末までに新型コロナウイルス危機前の経済水準に戻ることはないと予想する。欧州の次世代EU復興基金(NGEU)は、支出が小幅となる見込みで、ペースも期間の終盤に集中すると予想され、2021年に大きな役割を果たすことはないだろうが、優先順位付けの取り組みは今後数年間で有用性が証明されるだろう。NGEUに関する重要な点は、補助金に加えどこの国がローンの恩恵を受けるかだ。追加的な借り入れによる支出は回復を促進できるが、政治的懸念によるつまずきが生じる恐れもある。

ユーロ圏のインフレ率は2021年の税制改正によるベース効果を除くと、長期にわたり低位に留まる公算が大きい。このため、欧州中央銀行(ECB)は、昨年12月の公約に沿って、良好な資金調達環境の確保に向けた取り組みに集中できるだろう。特段のショックがない限り、ECBが資金を資産購入により使い果たすことはないと思われる。国債利回りはECBが資金調達条件に関連して重要視している点であり、欧州国債(ドイツ国債を含む)のイールドカーブは2020年と同様に、発行額とECBによる買い入れ金額にある程度左右されよう。経済活動が世界的に持ち直すなか、欧州の債券利回りも他の先進国の国債と同様に上昇する見込みである。特定の国で追加的な財政出動があれば、この動きに拍車がかかる可能性もある。

イタリアについては、見通しは他の欧州主要国と同様だが、いくつか追加的な事項の影響も受ける。まず、国際機関による融資の枠組みである欧州安定メカニズム(ESM)やNGEUの利用については他国よりも政治的な意味合いが強く、財政収支や成長軌道への影響が大きい。続いて、連立政権の結束力はさらに弱まっている。2022年初頭の大統領選に先立つ半年間は憲法により議会解散・総選挙が禁じられているため、2021年前半は政治リスクが高まる恐れがある。潜在的なリスク因子を除けば、スプレッドの水準は現状維持かややタイト化を想定する。ECBがバックストップとしてしっかり機能しており、より高い利回りを求める投資家需要も金利水準を支える見込みである。但し、上述の通り政治情勢は他国と比較しても不確実性が高い。

英国も他の欧州諸国と同様、2021年の景気回復が予想され、実現余地は大いにあるが、その道筋は不確実性も伴う。英国と欧州連合(EU)が昨年終盤に「土壇場で」漕ぎ着けた自由貿易協定(FTA)の締結合意は、合意なしに比べればましではあるが、ブレグジットによる経済への影響を評価するには時期尚早である。英国はワクチン接種の開始も先行しており、その上、財政政策や(特に)金融政策も必要に応じて講じる余地がある。しかし、2020年の経済への痛手は極めて大きく、パンデミックやブレグジット、サービス業への高い依存度など要因も多岐にわたり、原因を紐解くのは困難である。

アジア:復興への道筋に変わりなし
China Recovery

中国は新型コロナウイルス感染者を2020年1月に武漢で初めて確認後、直ぐに感染拡大の抑え込みに成功した。隔離、大規模PCR検査、接触者追跡等の医薬品以外の介入を断行し、第1波やその後の感染拡大の抑制に効果を発揮している。このため中国の製造・サービスセクターの事業活動はいずれも大半の国々よりも速やかに新型コロナウイルス前の水準に回復している。輸出についても、米中貿易摩擦(追加関税等)にもかかわらず、海外からの医薬品や外出規制による在宅勤務増加を背景とした電子製品の需要により、好調に推移している。電子商取引を手掛けるアリババ等の大企業は中国製品に対する需要が大きく伸びている。

中国の新型コロナウイルス前の経済成長率は健全な年率5.5~6.0%が見込まれていた。2020年の年明けに新型コロナウイルスの発生が確認され、中国経済は著しい混乱に見舞われたが、封じ込めに成功したため、ショックは一時的なものとなった。2020年後半に見られたような中国経済の急回復は再び起こる可能性が高い。また、中国経済が低価格帯の製造業から消費、サービス、ITセクターへの投資へと構造的な転換期にあることなどを背景に、当社は中国の向こう数年間のGDP成長率は年5~6%を維持すると予想する。この過程は間違いなく波乱含みとなろう。主要経済指標が時に弱含む局面も考えられる。しかし、中国の1人当たりGDPはなお新興国の水準にあり、また、政府は強力な財政・金融政策で景気の押し上げを続けており、中国が持続的に減速する可能性は低い。今後、世界経済に対する中国の貢献度は高まり、重要性が高い状態が続くだろう。

中国は新型コロナウイルスの封じ込めに成功しており、企業の経済活動は大半の国々より迅速にパンデミック前の水準に回復しつつある。
アウトルック

先進国市場:地域別レラティブ・バリュー

カナダ:カナダ:州債の大量発行によりスプレッドのさらなる縮小が避けられるだろう。インフレ連動債30年物は、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が1.50%となっており、依然魅力的。当社はエネルギー価格の回復や依然不透明な需要を勘案すると、エネルギーセクターへのエクスポージャーに慎重を期している。
米国:米国:債券利回りは短期ゾーンでは低水準で推移し、かつ全年限でレンジ内に留まろう。米国債はリスクオフ局面の有効なヘッジ手段として引き続き機能するだろう。
英国:英国:金融政策・財政政策間の調整が堅実に行われれば、英国債は他の主要高格付け国債をアウトパフォームしよう。当社は貿易面の観点から現時点ではポンドの先行きは不透明との見方を強めているが、追加金融緩和が実施されればポンド安につながるとみる。
欧州:欧州:高リスクの国債については利回り低下余地は限定的とみるが、バリュエーションは低金利環境やECBの資産購入により引き続き下支えされると予想する。中核国の債券利回りは国際市場に連動する形で上昇する可能性があり、力強い財政支援の結果、スプレッドがさらに縮小される可能性が高まる。
日本:日本:イールドカーブ(特に超長期)はスティープ化予想。日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)枠組みの下で、イールドカーブの短期および中期ゾーンは低水準で推移する可能性が高いと見ている。
オーストラリア:オーストラリア:州政府債や国際機関債等の高格付けセクターのオーバーウエイトを維持。また、保険として、インデックス連動債の小幅オーバーウエイトも継続する。
エマージング市場についてはセクター別レラティブ・バリュー参照
米国 米国では景気回復が数カ月にわたって続いており、向こう数カ月も回復が続くとみる。一方、FRBの金融緩和政策も継続の見込み。FRBが2020年に講じた積極的な緩和策がインフレ圧力を生み出している兆候はない。
カナダ エネルギーセクターの回復の遅れを反映し、カナダの景気回復は米国にやや後れを取っている。感染率は年末年始に再び上昇したが、家計所得の下支えや不動産需要の増大が景気回復基調を維持するだろう。カナダドルの上昇はインフレ圧力を和らげ、カナダ中銀は米国と並んで政策金利を据え置くと予想する。
欧州 欧州では財政・金融面の力強い支援が、2020年のダメージを抑制し、2021年の景気回復も、ワクチン接種の進展と共に下支えすると予想する。超国家的な復興基金の進捗が予測よりもやや遅いため、国レベルの財政スタンスの相違が景気回復速度に影響を及ぼす可能性が高い。ただし、EUレベルでの借入は引き続き急拡大の見通しで、超国家的な安全資産のプールが増えている。ECBは良好な資金条件を約束した後に、当面は様子見の姿勢である。
英国 英国は新型コロナウイルス対策に規制の強化に踏み切る中、経済へのダメージ抑制のため財政・金融政策による追加支援が予想される。ブレグジット後の新たな貿易体制の影響を評価するには時期尚早だが、ワクチン接種をいち早く開始したことは経済にとってプラスであることは間違いない。
日本 ワクチン開発の進展と、前例のない政策対応を背景に、日本経済は回復が続くと予想する。政府は、景気回復を支援するために現在の柔軟な財政スタンスを維持する可能性が高い。日銀は日本国債のイールドカーブ・スティープ化政策を通じて、長期にわたり金利を非常に低い水準に維持すると引き続き考えている。
オーストラリア 先頃、豪準備銀行(RBA)は政策金利を0.1%に引き下げ、イールドカーブ・コントロールに加えて、国債・州政府債を買い入れる初めての実質的な量的緩和(QE)にも着手した。RBAの目下の焦点は、目標とするインフレ率および失業率の実現、超緩和的な金融環境を少なくとも3年間維持することである。

セクター別レラティブ・バリュー

投資適格社債
米国
見通し クレジット市場のファンダメンタルズについては楽観視。複数のワクチン接種プログラムが既に進行中で、今後増える見通しのため、大きなダウンサイドリスクは避けられるだろう。先行きは、経済活動がどれだけ早く再開されるか、企業が既に調達した流動性をどう処理するかにかかっている。テクニカル面では良好な状況が続いているが、バリュエーションは多数のセクターで新型コロナウイルス前の水準に戻っている。
レラティブ・バリュー +/- バリュエーションが全体的にほぼ完全に回復している現在、バリュエーションが新型コロナウイルス前の水準に戻ったセクターをさらに売却する。一方、銀行、経済活動が再開された業界の一部、許容されている場合は、ライジング・スター候補企業のオーバーウエイトを維持する。
欧州
見通し 投資適格債運用チームによる1年間の慎重な規律的運用を経て、クレジット・ポートフォリオは概ね堅調。この状況の維持を展望しているが、今年はM&A活動や株主還元がより重視される可能性がある。
レラティブ・バリュー - 投資適格債に対する需要は低金利環境とECBによる資産購入を追い風に継続すると予想。ただし、スプレッドの水準を踏まえると、バリュエーションはもはや魅力的とは言えない。
オースト ラリア
見通し クレジット市場のファンダメンタルズは、追加金融緩和、経済活動の再開、財政出動の下支えにより引き続き良好。発行市場は依然活況。REITが最も好調で、次いで産業、公益セクターが堅調に推移した。
レラティブ・バリュー + 投資適格セクターのオーバーウエイトを継続しているが、慎重姿勢を維持し、大手行のシニア債が広範な市場の動きから逸脱していることを考慮し、エクスポージャーを直近で削減した。
ハイ・イールド社債
米国
見通し ハイ・イールド債市場には再び堅調な四半期となった。リスクオン取引が本格化、スプレッドは157bp縮小した。当四半期には、当社は主に消費循環セクターの発行体から、高格付けの担保付き債務を購入したが、今後もこのような案件に参加する予定である。
レラティブ・バリュー + 経済活動の再開を想定したポジションを継続。特定の景気循環セクター(航空会社、クルーズ船、および小売)のオーバーウエイトを維持する一方で、景気動向の影響を受けにくいセクターにおける高格付け銘柄のポジションも保有している。
欧州
見通し 流動性、バランスシートの持続可能性、長期的なデレバレッジ(負債圧縮)の可能性を引き続き注視している。発行はセクター内で高格付けのBB格企業に集中しており、調達資金は主に使途は流動性向上のために使用されている。2021年の発行は主に借り換えが中心になると予想しているが、M&A関連の発行が増える可能性もある。
レラティブ・バリュー + ハイ・イールド債市場では、BB格およびB格のクレジットを選好しており、ディフェンシブな業種(製薬など)や特定の循環セクター(メディアなど)に着目している。消費関連企業については厳選して保有を継続。
バンクローン
米国
見通し バンクローン市場の上昇基調が続くと予想。主因は良好なテクニカル環境で、CLOの魅力的な資金調達コスト、CLOの四半期中の大量組成(現在、100社以上が稼働)、ローン返済や償却が当四半期末に予想を上回ったこと(この結果、現金残高が高水準となり、セカンダリー市場での再投資の必要性が高まった)。
レラティブ・バリュー + バンクローン市場では、高水準のポジティブキャリーに加え、2021年は新型コロナウイルスの打撃を受ける銘柄は減少するとみて、アウトパフォームを予想。ファンダメンタルズや流動性が依然良好で、ポジティブ・コンベクシティの銘柄を選別して保有。
CLO
米国
見通し 当四半期のプライマリー市場では、新規発行、リセット、リファイナンスとも高水準と予想。邦銀や米銀がCLOを再び選好すると噂されており、CLO需要にとって極めて強い追い風であり、追加発行のカタリストにも成り得る。
レラティブ・バリュー + AAA格のCLOは、弱気または強気のいずれのシナリオでも引き続き好調なパフォーマンスを上げるとの見方を維持している。低格付けのCLOについては、当四半期の上昇と今年1月の供給量の多さを踏まえ、より中立なスタンスに移行する。
ストラクチャード・プロダクト
エージェンシーMBS
見通し 現在のバリュエーションや、FRBの継続的な資産買い入れなどを踏まえ、モーゲージに対して中立。
レラティブ・バリュー +/- カレント・クーポンのTBA取引や、高クーポンの特定プールを選好する。
ノン・エージェンシーRMBS
見通し 新型コロナウイルスをめぐる不透明感は残っているが、今回の危機が発生する前までは、住宅市場は健全であった。規制当局やFRBが迅速な政策対応を行ったため、差し押さえの急増が阻止され、住宅市場への資金流入が維持された。
レラティブ・バリュー + レガシー・ノン・エージェンシーRMBS/新規発行のリパフォーミング・ローン案件(一時的に返済が滞納となっていたものの、再度返済が開始されたローン)を選好。これらについては、借り手の多くが同様の混乱(世界金融危機やハリケーン被害など)をすでに乗り越えたと見ている。
ノン・エージェンシーCMBS
見通し 商業セクターの回復は依然として遅れているが、勢いは強まりつつある。短期的には、商業用不動産市場が今回のパンデミックの悪影響からいつ完全に回復するかは不明のため、慎重姿勢を据え置く。新型コロナウイルスによる影響は物件タイプや地域によって異なるため、ファンダメンタルな見通しも物件タイプや市場によって異なると予想。
レラティブ・バリュー +/- デュレーションが短く、構造がしっかりとしたシングル・ボルワーの証券化商品およびローンに対して強気の見方を維持する。引き続き投資先を厳選している。ある一定期間の営業利益の減少や、ローンの返済猶予に耐性があり、良好なリスク・リターン特性を提供している債券を選好する。
資産担保証券(ABS)
見通し 消費関連のファンダメンタルズに対して慎重な見方を維持。ABSセクターはパンデミックの影響を被りやすく、回復ペースは不透明。
レラティブ・バリュー +/– 新型コロナウイルスによる混乱の影響をそれほど受けていない高格付けのセクターの中で、十分な担保が付いているシニアABSを選好する。
インフレ連動債
米国
見通し 米国が財政、金融、貿易制限面で新局面に入るため、投資家はインフレ懸念を抱いており、TIPS市場は力強い資金流入の恩恵を受けている。米国のインフレ率が向こう数年間にFRBのインフレ目標2.0%に到達または超える可能性は除外できないが、世界的には2021年までディスインフレは続き、さらに長期化することも考えられる。エネルギー在庫は依然高水準で、産油国には生産・収益を増やす必要性があるため、エネルギー価格には下振れリスクがある。
レラティブ・バリュー + 米国の経済活動が予想を上回っている限り、TIPSがアウトパフォームする蓋然性が高まるとみる。BEIの過去数年間の最高値は現在の2.00%をわずか20bp上回る水準に過ぎない。景気回復の場合でさえ、インフレ率がFRBの目標を下回っている限り、この水準が相対パフォーマンスのピークとなろう。
欧州
見通し 欧州については、多数のベース効果が2021年の短期的な物価動向を左右するとみて、インフレ率は大きく低迷すると予想。インフレ期待が低いにも関わらず、BEIには割安感がある。当社は供給側の要因による投入・産出物価サーベイをモニタリングしており、この上昇は近い将来のインフレ率を押し上げる可能性がある。
レラティブ・バリュー + インデックス連動型のポートフォリオとグローバルのポートフォリオにおいて、フランスとイタリアのインフレ連動債とBEIスプレッドへの投資を維持する。
日本
見通し 日本経済の回復を想定すると、物価連動債はかなり過小評価の状態にある。財務省・日銀による買い入れは過小評価の是正を後押ししよう。
レラティブ・バリュー + 日本では利付国債に対するインフレ連動債のオーバーウエイトを維持する。
地方債
米国
見通し 地方債市場は2020年末に可決された9,000億ドルの法案から引き続き恩恵を受けると予想。米国の選挙を巡る状況がさらに明確になってきたことで、増税や追加経済対策の見通しが高まり、地方債は2021年第1四半期に下支えされるだろう。
レラティブ・バリュー + 一般財源保証債よりもレベニュー債を引き続き選好する。レベニュー債では、運輸セクターやヘルスケア・セクターなどの景気循環セクターへのエクスポージャーを増やしている。格付け別では投資適格の低格付け銘柄のオーバーウエイトを維持する。
エマージング債
米ドル建て
エマージング
ソブリン債
見通し 米ドル建てソブリン債の発行は安定的と予想。エマージング諸国は金利低下を活かして財政政策の資金調達を続け、パンデミックが招いた継続的な経済的損害の軽減を図っている。先進国と比較して、エマージング国は大規模な金融・財政政刺激策を実施する予定が限られていることから、新型コロナウイルス危機の影響が長引く可能性がある。
レラティブ・バリュー +/- キャリーおよびトータル・リターンの両方の観点から、一部の投資適格級の米ドル建てエマージング・ソブリン債を引き続き選好する。厳しい状況が続いているフロンティア諸国が発行する低格付けのソブリン債に対しては慎重に対応する。
現地通貨建て
エマージング債
見通し 米国とエマージング諸国の実質金利に差があるため、将来的にエマージング市場への資金流入や同ポートフォリオへの資金流入が見込まれる。エマージング市場の多くの中央銀行は、金融緩和姿勢を維持している。エマージング通貨は、パンデミック、ワクチン、米中間の緊張に関する展開を受け、ボラティリティが高止まりしている。
レラティブ・バリュー + 現地通貨建て債の利回りは引き続き比較的魅力的とみる。実質利回りが高く、また、リスク・リターンも比較的良好である。ただし、慎重かつ機動的なアプローチを維持する為、安全弁としての役割からエマージング通貨のボラティリティが高まりやすいことを考慮し、新型コロナウイルスの影響で景気が冷え込みやすい国の通貨は手控えている。
エマージング社債
見通し エマージング社債はグローバルな社債の中では比較的ディフェンシブなセクターであるが、グローバルおよびソブリンのレベルで成長が悪化しているため、企業のファンダメンタルズにも悪影響が出ている。エマージングの企業は比較的償還スケジュールが明確であり、流動性を確保しているため、それらの企業はコストカット、リボルビング・ローン、オポチュニスティックな新規発行などを通じてさらに体力を強化する可能性がある。
レラティブ・バリュー + エマージング社債は魅力的な投資機会を提供している。市場が回復を続けるなか、投資適格社債とBB格社債の新規銘柄を活用。一方、中央銀行の引き締めやワクチン接種遅延の恐れもあり、2021年の潜在的リスクのモニタリングも行っている。
見通し レラティブ・バリュー
投資適格社債
米国 クレジット市場のファンダメンタルズについては楽観視。複数のワクチン接種プログラムが既に進行中で、今後増える見通しのため、大きなダウンサイドリスクは避けられるだろう。先行きは、経済活動がどれだけ早く再開されるか、企業が既に調達した流動性をどう処理するかにかかっている。テクニカル面では良好な状況が続いているが、バリュエーションは多数のセクターで新型コロナウイルス前の水準に戻っている。 +/- バリュエーションが全体的にほぼ完全に回復している現在、バリュエーションが新型コロナウイルス前の水準に戻ったセクターをさらに売却する。一方、銀行、経済活動が再開された業界の一部、許容されている場合は、ライジング・スター候補企業のオーバーウエイトを維持する。
欧州 投資適格債運用チームによる1年間の慎重な規律的運用を経て、クレジット・ポートフォリオは概ね堅調。この状況の維持を展望しているが、今年はM&A活動や株主還元がより重視される可能性がある。 - 投資適格債に対する需要は低金利環境とECBによる資産購入を追い風に継続すると予想。ただし、スプレッドの水準を踏まえると、バリュエーションはもはや魅力的とは言えない。
オースト ラリア クレジット市場のファンダメンタルズは、追加金融緩和、経済活動の再開、財政出動の下支えにより引き続き良好。発行市場は依然活況。REITが最も好調で、次いで産業、公益セクターが堅調に推移した。 + 投資適格セクターのオーバーウエイトを継続しているが、慎重姿勢を維持し、大手行のシニア債が広範な市場の動きから逸脱していることを考慮し、エクスポージャーを直近で削減した。
ハイ・イールド社債
米国 ハイ・イールド債市場には再び堅調な四半期となった。リスクオン取引が本格化、スプレッドは157bp縮小した。当四半期には、当社は主に消費循環セクターの発行体から、高格付けの担保付き債務を購入したが、今後もこのような案件に参加する予定である。 + 経済活動の再開を想定したポジションを継続。特定の景気循環セクター(航空会社、クルーズ船、および小売)のオーバーウエイトを維持する一方で、景気動向の影響を受けにくいセクターにおける高格付け銘柄のポジションも保有している。
欧州 流動性、バランスシートの持続可能性、長期的なデレバレッジ(負債圧縮)の可能性を引き続き注視している。発行はセクター内で高格付けのBB格企業に集中しており、調達資金は主に使途は流動性向上のために使用されている。2021年の発行は主に借り換えが中心になると予想しているが、M&A関連の発行が増える可能性もある。 + ハイ・イールド債市場では、BB格およびB格のクレジットを選好しており、ディフェンシブな業種(製薬など)や特定の循環セクター(メディアなど)に着目している。消費関連企業については厳選して保有を継続。
バンクローン
米国 バンクローン市場の上昇基調が続くと予想。主因は良好なテクニカル環境で、CLOの魅力的な資金調達コスト、CLOの四半期中の大量組成(現在、100社以上が稼働)、ローン返済や償却が当四半期末に予想を上回ったこと(この結果、現金残高が高水準となり、セカンダリー市場での再投資の必要性が高まった)。 + バンクローン市場では、高水準のポジティブキャリーに加え、2021年は新型コロナウイルスの打撃を受ける銘柄は減少するとみて、アウトパフォームを予想。ファンダメンタルズや流動性が依然良好で、ポジティブ・コンベクシティの銘柄を選別して保有。
CLO
米国 当四半期のプライマリー市場では、新規発行、リセット、リファイナンスとも高水準と予想。邦銀や米銀がCLOを再び選好すると噂されており、CLO需要にとって極めて強い追い風であり、追加発行のカタリストにも成り得る。 + AAA格のCLOは、弱気または強気のいずれのシナリオでも引き続き好調なパフォーマンスを上げるとの見方を維持している。低格付けのCLOについては、当四半期の上昇と今年1月の供給量の多さを踏まえ、より中立なスタンスに移行する。
ストラクチャード・プロダクト
エージェンシーMBS 現在のバリュエーションや、FRBの継続的な資産買い入れなどを踏まえ、モーゲージに対して中立。 +/- カレント・クーポンのTBA取引や、高クーポンの特定プールを選好する。
ノン・エージェンシーRMBS 新型コロナウイルスをめぐる不透明感は残っているが、今回の危機が発生する前までは、住宅市場は健全であった。規制当局やFRBが迅速な政策対応を行ったため、差し押さえの急増が阻止され、住宅市場への資金流入が維持された。 + レガシー・ノン・エージェンシーRMBS/新規発行のリパフォーミング・ローン案件(一時的に返済が滞納となっていたものの、再度返済が開始されたローン)を選好。これらについては、借り手の多くが同様の混乱(世界金融危機やハリケーン被害など)をすでに乗り越えたと見ている。
ノン・エージェンシーCMBS 商業セクターの回復は依然として遅れているが、勢いは強まりつつある。短期的には、商業用不動産市場が今回のパンデミックの悪影響からいつ完全に回復するかは不明のため、慎重姿勢を据え置く。新型コロナウイルスによる影響は物件タイプや地域によって異なるため、ファンダメンタルな見通しも物件タイプや市場によって異なると予想。 +/- デュレーションが短く、構造がしっかりとしたシングル・ボルワーの証券化商品およびローンに対して強気の見方を維持する。引き続き投資先を厳選している。ある一定期間の営業利益の減少や、ローンの返済猶予に耐性があり、良好なリスク・リターン特性を提供している債券を選好する。
資産担保証券(ABS) 消費関連のファンダメンタルズに対して慎重な見方を維持。ABSセクターはパンデミックの影響を被りやすく、回復ペースは不透明。 +/– 新型コロナウイルスによる混乱の影響をそれほど受けていない高格付けのセクターの中で、十分な担保が付いているシニアABSを選好する。
インフレ連動債
米国 米国が財政、金融、貿易制限面で新局面に入るため、投資家はインフレ懸念を抱いており、TIPS市場は力強い資金流入の恩恵を受けている。米国のインフレ率が向こう数年間にFRBのインフレ目標2.0%に到達または超える可能性は除外できないが、世界的には2021年までディスインフレは続き、さらに長期化することも考えられる。エネルギー在庫は依然高水準で、産油国には生産・収益を増やす必要性があるため、エネルギー価格には下振れリスクがある。 + 米国の経済活動が予想を上回っている限り、TIPSがアウトパフォームする蓋然性が高まるとみる。BEIの過去数年間の最高値は現在の2.00%をわずか20bp上回る水準に過ぎない。景気回復の場合でさえ、インフレ率がFRBの目標を下回っている限り、この水準が相対パフォーマンスのピークとなろう。
欧州 欧州については、多数のベース効果が2021年の短期的な物価動向を左右するとみて、インフレ率は大きく低迷すると予想。インフレ期待が低いにも関わらず、BEIには割安感がある。当社は供給側の要因による投入・産出物価サーベイをモニタリングしており、この上昇は近い将来のインフレ率を押し上げる可能性がある。 + インデックス連動型のポートフォリオとグローバルのポートフォリオにおいて、フランスとイタリアのインフレ連動債とBEIスプレッドへの投資を維持する。
日本 日本経済の回復を想定すると、物価連動債はかなり過小評価の状態にある。財務省・日銀による買い入れは過小評価の是正を後押ししよう。 + 日本では利付国債に対するインフレ連動債のオーバーウエイトを維持する。
地方債
米国 地方債市場は2020年末に可決された9,000億ドルの法案から引き続き恩恵を受けると予想。米国の選挙を巡る状況がさらに明確になってきたことで、増税や追加経済対策の見通しが高まり、地方債は2021年第1四半期に下支えされるだろう。 + 一般財源保証債よりもレベニュー債を引き続き選好する。レベニュー債では、運輸セクターやヘルスケア・セクターなどの景気循環セクターへのエクスポージャーを増やしている。格付け別では投資適格の低格付け銘柄のオーバーウエイトを維持する。
エマージング債
米ドル建て
エマージング
ソブリン債
米ドル建てソブリン債の発行は安定的と予想。エマージング諸国は金利低下を活かして財政政策の資金調達を続け、パンデミックが招いた継続的な経済的損害の軽減を図っている。先進国と比較して、エマージング国は大規模な金融・財政政刺激策を実施する予定が限られていることから、新型コロナウイルス危機の影響が長引く可能性がある。 +/- キャリーおよびトータル・リターンの両方の観点から、一部の投資適格級の米ドル建てエマージング・ソブリン債を引き続き選好する。厳しい状況が続いているフロンティア諸国が発行する低格付けのソブリン債に対しては慎重に対応する。
現地通貨建て
エマージング債
米国とエマージング諸国の実質金利に差があるため、将来的にエマージング市場への資金流入や同ポートフォリオへの資金流入が見込まれる。エマージング市場の多くの中央銀行は、金融緩和姿勢を維持している。エマージング通貨は、パンデミック、ワクチン、米中間の緊張に関する展開を受け、ボラティリティが高止まりしている。 + 現地通貨建て債の利回りは引き続き比較的魅力的とみる。実質利回りが高く、また、リスク・リターンも比較的良好である。ただし、慎重かつ機動的なアプローチを維持する為、安全弁としての役割からエマージング通貨のボラティリティが高まりやすいことを考慮し、新型コロナウイルスの影響で景気が冷え込みやすい国の通貨は手控えている。
エマージング社債 エマージング社債はグローバルな社債の中では比較的ディフェンシブなセクターであるが、グローバルおよびソブリンのレベルで成長が悪化しているため、企業のファンダメンタルズにも悪影響が出ている。エマージングの企業は比較的償還スケジュールが明確であり、流動性を確保しているため、それらの企業はコストカット、リボルビング・ローン、オポチュニスティックな新規発行などを通じてさらに体力を強化する可能性がある。 + エマージング社債は魅力的な投資機会を提供している。市場が回復を続けるなか、投資適格社債とBB格社債の新規銘柄を活用。一方、中央銀行の引き締めやワクチン接種遅延の恐れもあり、2021年の潜在的リスクのモニタリングも行っている。