年末以降世界的な経済成長に対する懸念が高まった。収まりを見せぬ貿易摩擦と中国の景気減速が相俟って世界の貿易活動に顕著な減速をもたらし、ユーロ圏を中心に世界の製造業に大幅な影響を与えた。こうした逆風にもかかわらず、米国経済は回復基調となり、欧州の「ハードブレグジット(強硬離脱)」や、中国の貿易面の不透明感が後退し、欧州および中国は再び足場を固めてきていることから、グローバル成長率はプラスの領域を推移すると予想する。以下では、当社の世界経済の見通しの背景にある主な要因、当社の総合型運用におけるポジションの具体例および今日の市場でどこに価値があると見ているかの詳細な説明を提供する。

「全体像」の表では、主要地域・セクターに対する当社の現在の見方を一目で把握できるよう簡明にまとめ、強気(+)、弱気(-)、または強弱混交(+/-)かを示し、短い解説も加えている。

主な要因
米国:景気後退は 過度な懸念

2019年の米国のGDP成長率は2.0%~2.25%のレンジで成長し、インフレ率は2018年と同水準になると予想する。経済成長が急加速しているように見えた昨年も当社では成長は落ち着くと考えていたが、実際にそうなった。2017年から2018年にかけて見られた急成長は、旺盛な設備投資の増加や外国貿易と在庫のやや異常な改善がけん引していた。当社は、このうち後者2つの要因が弱まると考えていた。また、住宅建設業者の生産が需要を先取りしているため、住宅着工件数と住宅建設建設活動が落ち着き、新築住宅の売れ残り在庫が管理可能なレベルに戻ると考えていた。

このような動きは経済指標にも表れ始めている。輸出の伸びが緩やかになり、輸入が伸び始め、在庫の伸びは安定化し、住宅建設は穏やかに低下した。設備投資はまだ拡大しているが、2017年~2018年のほとんどの時期よりもやや不規則になっている。消費支出は2017年~2018年の景気拡大の一翼を担っていなかったため、最近も大きく減速していない。成長率は減速しているが、景気拡大の継続を脅かすほど大幅な低下は見られない。(1月下旬に終った政府機能の部分的停止は非農業部門雇用者数と小売売上高の統計に上下変動を与えたようには見えないが、それに先立つ低下があり、その後上昇したため、両者の基調としてのトレンドに変化はないとみられる。)

2019年には4回の利上げを行うとした昨年のFRBの表明は、好調な景気拡大の継続を前提としたものだった。現実はそのようにはならず、当社の緩慢な成長見通しどおりとなり、FRBは積極的な利上げ姿勢を転換した。FRBは追加利上げから手を引き、少なくとも今年一杯は「様子見」姿勢に終始するだろう。FRBの全般的な目標は、米国における景気回復を保護して引き延ばすことにある。さらなる利上げは成長を減速させかねず、その目的に反することになる。実際、景気後退を示唆する逆イールドカーブを防止するため、今年FRBは利下げすら行うかもしれない。インフレ期待がFRBの目標とする2%を大きく下回っているため、FRBが次第に低インフレを心配するようになっていることを心に留めておく必要がある。

欧州:伸びは低下するも景気後退は回避

2019年の欧州のGDP成長率に関しては、国内要因とグローバル要因を勘案し、当社の予想値を1%前後に下方修正した。当社は、ドイツとイタリアで景気見通しが悪化することと、さほどではないがフランスとスペインでも景気の悪化を織り込んでいる。また、グローバルな製造業と貿易の停滞による同地域の外需セクターが引続き低迷すること、ブレグジットの先行き不透明感が続いていることやグローバルなGDP成長率に対する懸念の再燃も織り込んでいる。そのため、当社は既にユーロ圏のコアインフレ率予想を引き下げたが、今年年間を通じて徐々に上昇していくと考えている。景気見通しの軟化に呼応する形で、ECBは今後も必要に応じて緩和的な金融政策を続ける姿勢を示した。

欧州中央銀行(ECB)は3月の会合で、今後3年の経済成長およびインフレ見通しを見直し、金利に関するフォワードガイダンスを1四半期延長して「2019年末まで」現行水準に据え置いた。銀行の企業など実体経済への貸し出し促進効果として四半期ごとの貸出条件付長期資金供給オペ(TLTRO)を、新たに2019年9月から2021年3月まで実施することも発表された。ECBのマリオ・ドラギ総裁は、高水準の不確実性が市場を打ちのめしている点を強調したが、景気後退と低かったインフレ率が上昇する可能性はいまだに低いと繰り返した。しかし、目下のところ2021年12月まで金利が変化しないことを市場は織り込んでいる。

当社の欧州に対する見方に対する主なリスクは、引続き世界のGDP成長率、イタリアと英国における潜在的に不利な展開である。イタリアの政治的なノイズと継続する財政への懸念がドイツ国債への質への逃避をもたらしているが、現時点で、この状況が欧州の成長見通しをさらに狂わせる可能性があるとは考えていない。同様に、英国とEUとのブレグジット交渉を巡る不透明感の継続も、「合意なき」離脱が現実のものとなれば大きなリスクとなるが、この結末は回避されると当社は予想している。結局、ユーロ圏は景気後退を回避し、トレンドに沿った成長率の水準に戻ると当社は考えており、これが当社の成長率予想値の引き下げに反映されている。

アジア:中国に関連する逆風はあるが底堅い

世界のGDP成長率の低下という最近の状況ならびに中国の景気減速の長期化に対する懸念とは裏腹に、3月のアジア(中国、韓国および台湾)の製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想外に良かったことは、当社の楽観的な見通しに裏付けを与えた。とりわけ、中国のPMIは意味がある形で上方へのサプライズとなった。新規受注額や新規輸出額といった将来見通しの指標も、最近の金融緩和が次第に効果をあらわし、今後数ヶ月間に一段と改善することを示唆している。アジアの景気循環は欧州に先行することが多いため、このことは重要である。

中国の景気減速は、最近の景気刺激策の適正な組み合わせや実効性を巡る市場の憶測を高めている。中国当局はこれまでのところ、最近見られた消費需要の低下と雇用見通しの悪化に対処することを意図した、充分に広範な措置を開始したと考えている。先月開催された2019年全国人民代表大会において、李克強首相は同国の経済成長の勢いを安定化させる一方で改革を深化させることが中国政府の最優先課題である点を繰り返した。このように、全人代では改訂GDP目標値6.0%~6.5%、1,100万人の新規雇用目標値、より中小銀行に狙いを定めた預金準備率(RRR)引き下げ、市場改革を通じた実質金利の引き下げ、運輸、建設、製造部門を下支えする付加価値税の明示的引き下げが公表された。今回打ち出された景気刺激策が、極めて債務比率の高い不動産部門と戦略的重要性の低い国営企業(SOE)よりも民間企業部門を主なターゲットにしている点を指摘しておく。

当社の見方では、中国の成長ペースは今年第2四半期まで緩やかなままに留まるだろうが、その後は景気刺激策の効果が現れると予想する。中国の経済成長の確実性と安定性が、依然としてアジアの経済成長を勢いづける主な要因になっているため、これが㑏となる。FRBが最近ハト派寄りに転じたことに加えて、世界貿易の見通しが不透明になっていることや、アジア全体にわたってインフレ率が低下していることが相俟って、当地域の中央銀行には必要に応じて金融政策を緩和する余裕がある。

米国:景気後退は過度な懸念

2019年の米国のGDP成長率は2.0%~2.25%のレンジで成長し、インフレ率は2018年と同水準になると予想する。経済成長が急加速しているように見えた昨年も当社では成長は落ち着くと考えていたが、実際にそうなった。2017年から2018年にかけて見られた急成長は、旺盛な設備投資の増加や外国貿易と在庫のやや異常な改善がけん引していた。当社は、このうち後者2つの要因が弱まると考えていた。また、住宅建設業者の生産が需要を先取りしているため、住宅着工件数と住宅建設建設活動が落ち着き、新築住宅の売れ残り在庫が管理可能なレベルに戻ると考えていた。

このような動きは経済指標にも表れ始めている。輸出の伸びが緩やかになり、輸入が伸び始め、在庫の伸びは安定化し、住宅建設は穏やかに低下した。設備投資はまだ拡大しているが、2017年~2018年のほとんどの時期よりもやや不規則になっている。消費支出は2017年~2018年の景気拡大の一翼を担っていなかったため、最近も大きく減速していない。成長率は減速しているが、景気拡大の継続を脅かすほど大幅な低下は見られない。(1月下旬に終った政府機能の部分的停止は非農業部門雇用者数と小売売上高の統計に上下変動を与えたようには見えないが、それに先立つ低下があり、その後上昇したため、両者の基調としてのトレンドに変化はないとみられる。)

2019年には4回の利上げを行うとした昨年のFRBの表明は、好調な景気拡大の継続を前提としたものだった。現実はそのようにはならず、当社の緩慢な成長見通しどおりとなり、FRBは積極的な利上げ姿勢を転換した。FRBは追加利上げから手を引き、少なくとも今年一杯は「様子見」姿勢に終始するだろう。FRBの全般的な目標は、米国における景気回復を保護して引き延ばすことにある。さらなる利上げは成長を減速させかねず、その目的に反することになる。実際、景気後退を示唆する逆イールドカーブを防止するため、今年FRBは利下げすら行うかもしれない。インフレ期待がFRBの目標とする2%を大きく下回っているため、FRBが次第に低インフレを心配するようになっていることを心に留めておく必要がある。

欧州:伸びは低下するも景気後退は回避
ECBのマリオ・ドラギ総裁は、景気後退とインフレ率が上昇する可能性は依然として低いと繰り返した。

2019年の欧州のGDP成長率に関しては、国内要因とグローバル要因を勘案し、当社の予想値を1%前後に下方修正した。当社は、ドイツとイタリアで景気見通しが悪化することと、さほどではないがフランスとスペインでも景気の悪化を織り込んでいる。また、グローバルな製造業と貿易の停滞による同地域の外需セクターが引続き低迷すること、ブレグジットの先行き不透明感が続いていることやグローバルなGDP成長率に対する懸念の再燃も織り込んでいる。そのため、当社は既にユーロ圏のコアインフレ率予想を引き下げたが、今年年間を通じて徐々に上昇していくと考えている。景気見通しの軟化に呼応する形で、ECBは今後も必要に応じて緩和的な金融政策を続ける姿勢を示した。

欧州中央銀行(ECB)は3月の会合で、今後3年の経済成長およびインフレ見通しを見直し、金利に関するフォワードガイダンスを1四半期延長して「2019年末まで」現行水準に据え置いた。銀行の企業など実体経済への貸し出し促進効果として四半期ごとの貸出条件付長期資金供給オペ(TLTRO)を、新たに2019年9月から2021年3月まで実施することも発表された。ECBのマリオ・ドラギ総裁は、高水準の不確実性が市場を打ちのめしている点を強調したが、景気後退と低かったインフレ率が上昇する可能性はいまだに低いと繰り返した。しかし、目下のところ2021年12月まで金利が変化しないことを市場は織り込んでいる。

当社の欧州に対する見方に対する主なリスクは、引続き世界のGDP成長率、イタリアと英国における潜在的に不利な展開である。イタリアの政治的なノイズと継続する財政への懸念がドイツ国債への質への逃避をもたらしているが、現時点で、この状況が欧州の成長見通しをさらに狂わせる可能性があるとは考えていない。同様に、英国とEUとのブレグジット交渉を巡る不透明感の継続も、「合意なき」離脱が現実のものとなれば大きなリスクとなるが、この結末は回避されると当社は予想している。結局、ユーロ圏は景気後退を回避し、トレンドに沿った成長率の水準に戻ると当社は考えており、これが当社の成長率予想値の引き下げに反映されている。

アジア:中国に関連する逆風はあるが底堅い

世界のGDP成長率の低下という最近の状況ならびに中国の景気減速の長期化に対する懸念とは裏腹に、3月のアジア(中国、韓国および台湾)の製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想外に良かったことは、当社の楽観的な見通しに裏付けを与えた。とりわけ、中国のPMIは意味がある形で上方へのサプライズとなった。新規受注額や新規輸出額といった将来見通しの指標も、最近の金融緩和が次第に効果をあらわし、今後数ヶ月間に一段と改善することを示唆している。アジアの景気循環は欧州に先行することが多いため、このことは重要である。

当社の見方では、中国の成長ペースは今年第2四半期まで緩やかなままに留まるだろうが、その後は景気刺激策の効果が現れると予想する。

中国の景気減速は、最近の景気刺激策の適正な組み合わせや実効性を巡る市場の憶測を高めている。中国当局はこれまでのところ、最近見られた消費需要の低下と雇用見通しの悪化に対処することを意図した、充分に広範な措置を開始したと考えている。先月開催された2019年全国人民代表大会において、李克強首相は同国の経済成長の勢いを安定化させる一方で改革を深化させることが中国政府の最優先課題である点を繰り返した。このように、全人代では改訂GDP目標値6.0%~6.5%、1,100万人の新規雇用目標値、より中小銀行に狙いを定めた預金準備率(RRR)引き下げ、市場改革を通じた実質金利の引き下げ、運輸、建設、製造部門を下支えする付加価値税の明示的引き下げが公表された。今回打ち出された景気刺激策が、極めて債務比率の高い不動産部門と戦略的重要性の低い国営企業(SOE)よりも民間企業部門を主なターゲットにしている点を指摘しておく。

当社の見方では、中国の成長ペースは今年第2四半期まで緩やかなままに留まるだろうが、その後は景気刺激策の効果が現れると予想する。中国の経済成長の確実性と安定性が、依然としてアジアの経済成長を勢いづける主な要因になっているため、これが㑏となる。FRBが最近ハト派寄りに転じたことに加えて、世界貿易の見通しが不透明になっていることや、アジア全体にわたってインフレ率が低下していることが相俟って、当地域の中央銀行には必要に応じて金融政策を緩和する余裕がある。


予想グローバル成長率
アウトルック 全体像

先進国市場:地域別レラティブ・バリュー

米国 米国では、2019年のGDP成長率が2.0%~2.25%のレンジに入り、インフレ率は2018年と同水準になると予想する。2017~18年の急速なGDP成長率を加速させた要因であった設備投資と輸出が多少沈静化し、住宅建設は2017~18年の成長が一転して緩やかな低下傾向にある。これらの要因が、当社の予想レンジまで成長率を低下させると予想する。しかし、現時点で、これらの分野などで景気拡大の継続を脅かすような深刻な低下は見られない。
カナダ 2019年の予想トレンド成長率が依然エネルギーや不動産関連のリスクと相殺されるため、カナダの政策金利は据え置かれる見込みである。カナダ中銀は、いまだに政策金利を「低い」と表現しているが、金利に敏感な経済セクターが既に減速している。連邦の財政状況は均衡がずっと改善しており、ダウンサイドリスクが顕在化すればより柔軟な政策対応を行う用意ができている。
欧州 2019年のユーロ圏のGDP成長率が1%近辺になると当社は予想する。ドイツとイタリアで景気見通しが悪化することと、さほどではないがフランスとスペインでも景気の悪化を予想に織り込んでいる。また、グローバルな製造業と貿易の停滞による同地域の外需セクターが引続き低迷すること、ブレグジットの先行き不透明感が続いていることやグローバルなGDP成長率に対する懸念の再燃も織り込んでいる。そのため、当社は既にユーロ圏のコアインフレ率予想を引き下げたが、今年年間を通じて徐々に上昇していくと考えている。
英国 「合意なき」ブレグジットになるリスクが最近高まっているが、離脱に関して何らかの合意に達するか長期の延期となる公算の方が高い。そのため「ソフトな」ブレグジットに向かう様々な道筋の可能性が見えてきている。
日本 日銀は2%のインフレ目標を達成するべく、直近のフォワードガイダンスに沿って、しばらくの間は緩和政策を維持すると考える。今以上の金融緩和は現時点で予想できない。
オーストラリア オーストラリアのGDP成長率は他の先進国と並んで減速しているため、2019年のGDP成長率を2.5%と予想する。オーストラリア準備銀行(RBA)は経済指標を注視しており、インフレ率が目標を下回っているため、現在好調な雇用者数の伸びに陰りが見えれば金融緩和に踏み切るであろう。しかし、財政黒字に戻ったこと、今年が選挙年であることもあって、RBAは財政政策の力も借りるかもしれない。

セクター別レラティブ・バリュー

投資適格社債
米国
見通し 企業のファンダメンタルズは引続き良好だが、食品・飲料、ヘルスケア/製薬や自動車といったセクターには慎重なバイアスを維持している。ブルームバーグ・バークレイズ米国クレジット・インデックスが年末から30ベーシスポイント上昇しているが、様々なマクロの課題を巡り楽観的な見通しが高まっていることを背景に、リスクへのオーバーウエイトを維持する。ハト派寄りの中銀政策も米国の投資適格クレジット(IG)にとって有利であり、IGは依然インカムの面で妙味のある資産クラスである。
レラティブ・バリュー +/– 当社の焦点は引続き、銀行、エネルギー、金属や鉱業にある。これらのセクターでは足元で良好なファンダメンタルズのトレンドが維持されており、格付機関による一層の格上げが見込める。
欧州
見通し 欧州企業は借り入れに慎重なアプローチをとり続けているため、収益が多少落ち込んでも対処できる。銀行資本の伸びが目立っているが、収益力は依然厳しい状況にある。
レラティブ・バリュー + バランスシートが健全でスプレッドの好転が活用できることから、非金融セクターよりも金融セクターを選好する。
オーストラリア
見通し 収益力が堅調な状況でも経営者がバランスシートに対して保守的な姿勢を維持しているため、企業ファンダメンタルズは依然良好である。2019年は新規発行と満期が限定的であることも需給面を後押しするはずである。
レラティブ・バリュー + 金融、REIT、公益セクターの中でも規制されている事業体のオーバーウエイトを維持する。スプレッドリスクを抑制するためデュレーションは短めとする。
ハイ・イールド社債
米国
見通し 米国のハイ・イールド社債市場で生じた大幅なスプレッド縮小を受け、バリュエーションで見てインカム創出(キャリー)がリターンの主な原動力となることを認識している。クレジットのファンダメンタルズは全般的に健全な状態を維持しているものの、検討を要する脆弱な箇所が再び見られ、アクティブ運用/銘柄選択/毀損回避の重要性が増している。デフォルト率が低い環境と資本へのアクセスが広く解放されていることから、当資産クラスに資金が流入し新発債の供給が限定的で需給面が良好なことが、更なるスプレッドの縮小をもたらす可能性がある。
レラティブ・バリュー + バリュエーションならびにクレジットサイクルの終盤にあることからCCC格クレジットのアンダーウエイトを維持する。金属・鉱業(銅など)景気循環型消費者サービス、金融、ライジングスター(投資適格への格上げ)候補をオーバーウエイトし、バンクローンとCLOのトランシェ(具体的にはBBB格とBB格)への配分を維持する。
欧州
見通し 企業収益はこれまでまずまず良好に推移してきた。短期的な地域位毎の成長リスク、および産業別には自動車と小売のセクターを注視している。正味発行額が少なく、リテールからの資金流入があり、需給面は足元で良好である。
レラティブ・バリュー +/– 上昇相場を受けて、利回りとスプレッドが2018年10月に見られた4%下まで急速に低下した。発行市場に投資機会を探している。新規発行予定が埋まり始めているが、目下のところでは高格付のリファイナンス案件が中心である
バンクローン
米国
見通し CLOの需要が市場の需給面を左右し続けるが(ローンの70%が買い手主導)、目先は安定した伸びを見込む。引続き安定的なファンダメンタルズが見られるため、今後数四半期間は企業収益についても緩やかな成長を予想する。キャリー重視戦略に妙味があり、足元の環境はバンクローンに有利である。
レラティブ・バリュー + 焦点は引続き5億ドルから20億ドルまでのローントランシェにあり、ここでは低いボラティリティで高い長期的リターンが得られると考えている。
ストラクチャード・プロダクト
エージェンシーMBS
見通し 金利がボックス圏にありヘッジ調整後キャリーに妙味があるという当社の見方から、モーゲージに対して強気である。しかし、政府支援企業(GSE)改革にまつわる懸念、FRBの政策転換やリファイナンスリスクがあるため、慎重さが求められる。
レラティブ・バリュー +/– 米国債よりもMBSに対して強気であり、低クーポンのエージェンシーCMBSを選好する。
ノン・エージェンシーRMBS
見通し 当社は住宅市場のファンダメンタルズに強気である。住宅価格は妥当とみられる水準で下支えされていることから、向こう数年間は小幅上昇し、下振れリスクは限定的と予想する。与信基準は記録的に厳格な水準であるため、新たに組成されたローンの質は高い。
レラティブ・バリュー + 政府支援機関(GSE)の信用リスク、最近発行されたノン・エージェンシーローン、リパフォーミングローン・証券に対し、当社は強気である。
ノン・エージェンシーCMBS
見通し 商業用不動産のファンダメンタルズに対し大方が好評価であることや良好な景気見通しに鑑み、CMBS市場に強気を据え置く。ただし、不動産の種類や市場に応じて、見通しは一様ではないと予想する。
レラティブ・バリュー + デュレーションが短く、ストラクチャーが保守的で、シングルボロワー型のローンや証券化に対し、当社は強気である。コンデュイット型では、AAA格の債券に妙味があると考える。
資産担保証券(ABS)
見通し 消費者ローン債権ABSのファンダメンタルズおよびレバレッジ状況に対し、当社は引き続き強気である。その理由は、十分なプロテクションがあるオフザランセクターには投資機会があり、魅力的なリスク・リターンを提供していることによる。
レラティブ・バリュー +/– オフザランで高格付けのシニアABSセクター(政府保証民間(FFELP)学生ローン、オートディーラー向けフロアプラン、レンタカー等)に対し、強気である。
インフレ連動債
米国
見通し ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は実際のインフレ率に対し適正水準に近づいている。中期のインフレ期待は過去の水準に比べ概して低位にとどまると予想される。更なる上昇のためには米国のコアインフレ率の上昇が必要であろう。
レラティブ・バリュー +/– 短期的には、米国ではインフレ連動債のオーバーウエイトと名目債の戦術的ポジションを組み合わせ、全体のデュレーションを管理する。
欧州
見通し 欧州のブレーク・イーブン・インフレ率スプレッドが最近の原油価格の反発を織り込んで急落したことから、他のインフレ連動債市場に恩恵をもたらした。2019年のヘッドライン・インフレ率は平均で1.20%になると予想しているが、これはスワップ市場とキャッシュ市場が織り込んでいる水準よりも高い。このため、2019年第2四半期には原油価格とファンダメンタルズに次第に追いついていくと予想する。
レラティブ・バリュー +/– 名目債とインフレ連動債双方のショートを据え置く。
地方債
米国
見通し 地方債市場のファンダメンタルズは全体的に改善しているとの見方を維持。改善の背景には、低い失業率、安定的な税収、穏当な歳出案等の要因がある。年限10年以上の地方債は、格付け調整後ベースで、他の課税対象債券よりも魅力的である。
レラティブ・バリュー + 引き続き市場リスク(ベータ)よりも固有リスクに注目する。一般財源債よりも特定財源債を選好する。
エマージング債
米ドル建てエマージングソブリン債
見通し 世界のGDP成長率をめぐる不透明感はあるが、FRBが最近ハト派的スタンスに方向転換し、米国の他地域を大きく上回る成長率に陰りが見えていることは、エマージング市場の金融状況と資金フローにとって好材料である。テクニカルな視点から見ると、主要インデックスに占めるエマージング市場のウエイトは依然低いものの、中国や湾岸協力会議加盟国など規模の大きい市場の組み入れ比率が段階的に引き上げられることは、今後エマージング市場の存在感と同市場への投資家の投資意欲の向上に役立つと考えられる。
レラティブ・バリュー + 一部の投資適格および非投資適格のソブリン債は、依然としてキャリーとトータルリターンの観点から妙味がある。当社は足元でリスクの低い湾岸協力会議加盟国や価格面で妙味のあるフロンティア市場ソブリン債へのエクスポージャーを積み増そうとしているが、BBB格のソブリン債には余り妙味がない。
現地通貨建てエマージング債
見通し エマージング市場では、FRBがハト派寄りになった上にエマージング通貨が安定的から強含んでいることから、引き締め政策への圧力は緩和され、そのことがエマージング諸国と先進諸国間の実質金利スプレッドの縮小をもたらすはずである。米国の財政刺激策の効果が消滅し、中国が景気刺激策を再び導入したことも、グローバルの経済成長率が再び足並みを揃えることに寄与すると考える。当社の見方では、こうした要因が積み重なっていることは、現地通貨建てエマージング債にとって下支え要因となろう。
レラティブ・バリュー + 実質金利が高く、エマージング諸国の中央銀行がハト派寄りになる見通しから、現地通貨建ての金利リスクが最も妙味のある部分だとみている。インドネシア、インド、ブラジルやロシアなど、インフレが落ち着いていて安定した諸国の現地通貨建て債券を選好する。
エマージング社債
見通し エマージング市場の企業は、引続き堅調なファンダメンタルズと保守的なバランスシート経営の共存から恩恵を受ける。米国企業とは異なり、エマージング市場の発行体は自社株買いやM&Aを重視しておらず、2014年~2016年に起きたコモディティ価格と政治の危機の後で、債務削減に取り組んできた。市場全体としては旺盛な債券発行が見られるが、中国を除くエマージング市場社債の正味発行額は極めて低く、需給関係は良好である
レラティブ・バリュー + 当社は、エマージング市場社債セクターに資金を配分する最良の方法がクロスオーバー債であると考えている。政府との結びつきが強く、ハードカレンシーで売上を上げている企業を選好する。高格付志向のマンデートには、エマージングの投資適格社債は、スプレッドの厚さ、デュレーションの短さ、BBB格社債の需給面が良好なことから、米国投資適格社債に対して相対的に妙味がある。
見通し レラティブ・バリュー
投資適格社債
米国 企業のファンダメンタルズは引続き良好だが、食品・飲料、ヘルスケア/製薬や自動車といったセクターには慎重なバイアスを維持している。ブルームバーグ・バークレイズ米国クレジット・インデックスが年末から30ベーシスポイント上昇しているが、様々なマクロの課題を巡り楽観的な見通しが高まっていることを背景に、リスクへのオーバーウエイトを維持する。ハト派寄りの中銀政策も米国の投資適格クレジット(IG)にとって有利であり、IGは依然インカムの面で妙味のある資産クラスである。 +/– 当社の焦点は引続き、銀行、エネルギー、金属や鉱業にある。これらのセクターでは足元で良好なファンダメンタルズのトレンドが維持されており、格付機関による一層の格上げが見込める。
欧州 欧州企業は借り入れに慎重なアプローチをとり続けているため、収益が多少落ち込んでも対処できる。銀行資本の伸びが目立っているが、収益力は依然厳しい状況にある。 + バランスシートが健全でスプレッドの好転が活用できることから、非金融セクターよりも金融セクターを選好する。
オーストラリア 収益力が堅調な状況でも経営者がバランスシートに対して保守的な姿勢を維持しているため、企業ファンダメンタルズは依然良好である。2019年は新規発行と満期が限定的であることも需給面を後押しするはずである。 + 金融、REIT、公益セクターの中でも規制されている事業体のオーバーウエイトを維持する。スプレッドリスクを抑制するためデュレーションは短めとする。
ハイ・イールド社債
米国 米国のハイ・イールド社債市場で生じた大幅なスプレッド縮小を受け、バリュエーションで見てインカム創出(キャリー)がリターンの主な原動力となることを認識している。クレジットのファンダメンタルズは全般的に健全な状態を維持しているものの、検討を要する脆弱な箇所が再び見られ、アクティブ運用/銘柄選択/毀損回避の重要性が増している。デフォルト率が低い環境と資本へのアクセスが広く解放されていることから、当資産クラスに資金が流入し新発債の供給が限定的で需給面が良好なことが、更なるスプレッドの縮小をもたらす可能性がある。 + バリュエーションならびにクレジットサイクルの終盤にあることからCCC格クレジットのアンダーウエイトを維持する。金属・鉱業(銅など)景気循環型消費者サービス、金融、ライジングスター(投資適格への格上げ)候補をオーバーウエイトし、バンクローンとCLOのトランシェ(具体的にはBBB格とBB格)への配分を維持する。
欧州 企業収益はこれまでまずまず良好に推移してきた。短期的な地域位毎の成長リスク、および産業別には自動車と小売のセクターを注視している。正味発行額が少なく、リテールからの資金流入があり、需給面は足元で良好である。 +/– 上昇相場を受けて、利回りとスプレッドが2018年10月に見られた4%下まで急速に低下した。発行市場に投資機会を探している。新規発行予定が埋まり始めているが、目下のところでは高格付のリファイナンス案件が中心である
バンクローン
米国 CLOの需要が市場の需給面を左右し続けるが(ローンの70%が買い手主導)、目先は安定した伸びを見込む。引続き安定的なファンダメンタルズが見られるため、今後数四半期間は企業収益についても緩やかな成長を予想する。キャリー重視戦略に妙味があり、足元の環境はバンクローンに有利である。 + 焦点は引続き5億ドルから20億ドルまでのローントランシェにあり、ここでは低いボラティリティで高い長期的リターンが得られると考えている。
ストラクチャード・プロダクト
エージェンシーMBS 金利がボックス圏にありヘッジ調整後キャリーに妙味があるという当社の見方から、モーゲージに対して強気である。しかし、政府支援企業(GSE)改革にまつわる懸念、FRBの政策転換やリファイナンスリスクがあるため、慎重さが求められる。 +/– 米国債よりもMBSに対して強気であり、低クーポンのエージェンシーCMBSを選好する。
ノン・エージェンシーRMBS 当社は住宅市場のファンダメンタルズに強気である。住宅価格は妥当とみられる水準で下支えされていることから、向こう数年間は小幅上昇し、下振れリスクは限定的と予想する。与信基準は記録的に厳格な水準であるため、新たに組成されたローンの質は高い。 + 政府支援機関(GSE)の信用リスク、最近発行されたノン・エージェンシーローン、リパフォーミングローン・証券に対し、当社は強気である。
ノン・エージェンシーCMBS 商業用不動産のファンダメンタルズに対し大方が好評価であることや良好な景気見通しに鑑み、CMBS市場に強気を据え置く。ただし、不動産の種類や市場に応じて、見通しは一様ではないと予想する。 + デュレーションが短く、ストラクチャーが保守的で、シングルボロワー型のローンや証券化に対し、当社は強気である。コンデュイット型では、AAA格の債券に妙味があると考える。
資産担保証券(ABS) 消費者ローン債権ABSのファンダメンタルズおよびレバレッジ状況に対し、当社は引き続き強気である。その理由は、十分なプロテクションがあるオフザランセクターには投資機会があり、魅力的なリスク・リターンを提供していることによる。 +/– オフザランで高格付けのシニアABSセクター(政府保証民間(FFELP)学生ローン、オートディーラー向けフロアプラン、レンタカー等)に対し、強気である。
インフレ連動債
米国 ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は実際のインフレ率に対し適正水準に近づいている。中期のインフレ期待は過去の水準に比べ概して低位にとどまると予想される。更なる上昇のためには米国のコアインフレ率の上昇が必要であろう。 +/– 短期的には、米国ではインフレ連動債のオーバーウエイトと名目債の戦術的ポジションを組み合わせ、全体のデュレーションを管理する。
欧州 欧州のブレーク・イーブン・インフレ率スプレッドが最近の原油価格の反発を織り込んで急落したことから、他のインフレ連動債市場に恩恵をもたらした。2019年のヘッドライン・インフレ率は平均で1.20%になると予想しているが、これはスワップ市場とキャッシュ市場が織り込んでいる水準よりも高い。このため、2019年第2四半期には原油価格とファンダメンタルズに次第に追いついていくと予想する。 +/– 名目債とインフレ連動債双方のショートを据え置く。
地方債
米国 地方債市場のファンダメンタルズは全体的に改善しているとの見方を維持。改善の背景には、低い失業率、安定的な税収、穏当な歳出案等の要因がある。年限10年以上の地方債は、格付け調整後ベースで、他の課税対象債券よりも魅力的である。 + 引き続き市場リスク(ベータ)よりも固有リスクに注目する。一般財源債よりも特定財源債を選好する。
エマージング債
米ドル建てエマージングソブリン債 世界のGDP成長率をめぐる不透明感はあるが、FRBが最近ハト派的スタンスに方向転換し、米国の他地域を大きく上回る成長率に陰りが見えていることは、エマージング市場の金融状況と資金フローにとって好材料である。テクニカルな視点から見ると、主要インデックスに占めるエマージング市場のウエイトは依然低いものの、中国や湾岸協力会議加盟国など規模の大きい市場の組み入れ比率が段階的に引き上げられることは、今後エマージング市場の存在感と同市場への投資家の投資意欲の向上に役立つと考えられる。 + 一部の投資適格および非投資適格のソブリン債は、依然としてキャリーとトータルリターンの観点から妙味がある。当社は足元でリスクの低い湾岸協力会議加盟国や価格面で妙味のあるフロンティア市場ソブリン債へのエクスポージャーを積み増そうとしているが、BBB格のソブリン債には余り妙味がない。
現地通貨建てエマージング債 エマージング市場では、FRBがハト派寄りになった上にエマージング通貨が安定的から強含んでいることから、引き締め政策への圧力は緩和され、そのことがエマージング諸国と先進諸国間の実質金利スプレッドの縮小をもたらすはずである。米国の財政刺激策の効果が消滅し、中国が景気刺激策を再び導入したことも、グローバルの経済成長率が再び足並みを揃えることに寄与すると考える。当社の見方では、こうした要因が積み重なっていることは、現地通貨建てエマージング債にとって下支え要因となろう。 + 実質金利が高く、エマージング諸国の中央銀行がハト派寄りになる見通しから、現地通貨建ての金利リスクが最も妙味のある部分だとみている。インドネシア、インド、ブラジルやロシアなど、インフレが落ち着いていて安定した諸国の現地通貨建て債券を選好する。
エマージング社債 エマージング市場の企業は、引続き堅調なファンダメンタルズと保守的なバランスシート経営の共存から恩恵を受ける。米国企業とは異なり、エマージング市場の発行体は自社株買いやM&Aを重視しておらず、2014年~2016年に起きたコモディティ価格と政治の危機の後で、債務削減に取り組んできた。市場全体としては旺盛な債券発行が見られるが、中国を除くエマージング市場社債の正味発行額は極めて低く、需給関係は良好である + 当社は、エマージング市場社債セクターに資金を配分する最良の方法がクロスオーバー債であると考えている。政府との結びつきが強く、ハードカレンシーで売上を上げている企業を選好する。高格付志向のマンデートには、エマージングの投資適格社債は、スプレッドの厚さ、デュレーションの短さ、BBB格社債の需給面が良好なことから、米国投資適格社債に対して相対的に妙味がある。