当社は、世界的な経済活動再開に伴い、今年後半には世界のGDP成長率は大幅に伸びると予想している。ただし、今回の伸びは短期的な押し上げ効果による成長率上昇に過ぎず、長期的な経済成長率やインフレ率の予想への影響という観点からは慎重な見方を維持する。米国や世界の経済成長率は過去数十年にわたり(甘めに評価したとしても)小幅な上昇であり、この低成長の原因である構造的課題は今も解決されていない。例えば、欧米諸国の中流階級の賃金は低迷しており、人口動態も高齢化が進んでいる。また、世界の債務残高は大幅に増加している。さらに、中小企業の破綻は世界大恐慌以来の規模に拡大しており、元の状態に回復するには長い時間を要するだろう。これらの構造的課題を踏まえると、各国中央銀行は大規模な金融緩和を当面の間維持すると予想する。当社は、さらなる市場ボラティリティにも耐え得るポジショニングを維持しつつ、魅力的な投資機会に迅速に対応できるよう、柔軟性の高い運用に努めている。

以下では、当社の世界経済の見通しの主な背景およびグローバル債券市場の中で投資妙味が高いセクターを考察する。

主要ファクター
米国:米国の景気回復はコンセンサス予想を下回るペースにとどまっている
US Recovery

米国経済はここ数カ月にわたり、当社が数カ月前に予想した通りに展開している。製造業や建設業などのセクターは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う操業停止により2020年第1四半期(1月~3月)の景気後退からほぼ完全に回復しており、ここ最近では成長ペースが鈍化している。一方、サービス部門もある程度成長しているが、大幅に成長しているわけではなく、新型コロナウイルス発生前の状況にすぐに戻るとは考えにくい。この比較的緩慢な回復については、サービス部門の活動再開がつい数週間前に始まったばかりであるためである。レストランや医療などのセクターは緩やかな成長にとどまっている。6月後半以降は経済活動の再開が複数の州で進んでいるが、本格的な再開とはなっていない。また、一部の州では新型コロナウイルスに対する懸念が根強く残っており、回復を妨げる要因になると見込まれる。

サービス部門の成長は引き続きコンセンサス予想を下回るペースにとどまり、。一方で、製造業や建設業などの部門ではすでに回復が完了しているため、今後は緩やかな成長にとどまると見込まれる。

こうした要因により、サービス部門の成長は引き続きコンセンサス予想を下回るペースにとどまり、。一方で、製造業や建設業などの部門ではすでに回復が完了しているため、今後は緩やかな成長にとどまると見込まれる。サービス部門には十分な回復余地があるため、今後数カ月にわたり米国のGDP成長率を7%程度押し上げる要因になる可能性がある。ただし、米国のGDPは2%~5%前後の成長になると予想されており、これは悪い数値ではないが、コンセンサス予想に織り込まれていると思われる水準を下回っている。

市場やメディア報道では、インフレ加速を懸念する声が強まっている。ただし、ここ数四半期においてインフレ率が上昇したのは、a) 2020年4月および5月の物価上昇率が特に低かったため、ベース効果の影響で今年の前年比数値が押し上げられたこと、b) 経済活動の再開が進みつつある複数のサービス部門で価格が回復したこと、などを反映した動きであると考えられる(最近ではこれらのサービス部門で価格が上昇しているものの、新型コロナウイルス発生前の水準を依然として大きく下回っている)。

米国債市場はすでにこうした動きに反応しており、米10年国債利回りは4月に1.74%まで上昇したものの、最近では1.40%台前半まで低下している。今後、米国債利回りがさらに大幅に低下することはないと思われるが、過去3カ月間の取引レンジ内にとどまり、このレンジの下限近辺で推移すると見込まれる。

欧州:今後は成長が本格化するが、インフレ率の上昇が懸念材料(今のところ)
Europe Recovery

欧州では、全域にわたりワクチン接種が進展しており、第3四半期(7月~9月)末にかけて集団免疫の獲得が視野に入り、現在一時解雇されている労働者が労働市場に復帰すると、下半期に成長が本格化すると見込まれる。頻繁に発表される景気先行指標は過去最高に達しているが、勢いは明らかに鈍化している。当社の見通しに対する主なリスクとしては、新型コロナウイルス変異株の感染拡大による回復の遅れが挙げられる。欧州連合(EU)では債務上限規定が中断されたままであり、今年後半と来年に大陸ヨーロッパで2つの主要な選挙が行われるが、政治主導の景気サイクルであることを考慮すると、財政の崖に直面するリスクが他の地域よりも低く、2022年に入っても成長の勢いが続くと考えられる。欧州経済の回復を目的とした「次世代のEU(NGEU)」復興基金が創設され、債券の発行が開始されており、加盟国への最初の補助金が第3四半期に支給される予定である。この復興資金は2022年の欧州の景気回復に大きく貢献し、一部の国に対しては非常に大きな役割を果たすと見込まれる。

ユーロ圏では第3四半期にインフレ率が上昇傾向をたどり、第4四半期(10月~12月)にはピークに達する可能性があるものの、ベース効果や特殊な効果の影響により、その後はインフレ率が低下に向かうだろう。ユーロ圏では、賃金上昇圧力、大幅な信用拡大、または長期的なインフレ期待の上昇などを示す兆候が依然として少ないため、中期的に見るとユーロ圏のインフレ率は低水準で推移すると見込まれる。とは言うものの、一部の国・地域ではインフレ率が4%近くまで上昇する可能性がある、ことから、今年の下半期にはインフレ懸念が強まると見込まれる。

ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の債券購入額を9月から段階的に縮小し始めると考える。

インフレ期待への影響を注視する必要があるが、すべての時間軸においてインフレ期待はインフレ目標を下回っているため、他の先進国市場と比べてインフレはそれほど大きな懸念材料ではない。インフレの問題は別として、欧州中央銀行(ECB)は第3四半期に様々な措置を講じる必要がある。例えば、ECBはコミュニケーションの簡略化に関する戦略見直し(Strategy Review)の結果を実行に移すものと見られる。また、国債利回りが徐々に上昇し、経済見通しが改善する限り、ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の債券購入額を9月から段階的に縮小し始めると考える。購入額の縮小が始まれば、PEPPの購入枠を拡大する必要はなくなり、PEPPは予定通り来年3月に終了するものと思われる。ただし、ECBはパンデミック収束後の世界に向けて金融政策を再調整する必要があり、9月に開催されるECB政策理事会が重要な足がかりになると見込まれる。

英国では、デルタ変異株の流行によって感染者数が再拡大したため、規制措置の撤廃が7月に延期された。英国の人口の約半分は2回目のワクチン接種を終えているため、接種率の伸びは大きく鈍化している。欧州各国は感染症対策で連携を強化しており、第3四半期には英国と欧州連合(EU)の間で渡航制限が緩和される見通しであるため、観光業への恩恵が期待される。英国のEU離脱協定に盛り込まれた北アイルランド議定書の履行をめぐる議論が一時中断されたが、英国・EU間の貿易量はブレグジット前の水準を長期的に下回って推移するものと思われる。総合インフレ率がインフレ目標を上回っている中でも、イングランド銀行(BoE)はインフレ率(および生産量)の変動をそれほど重要視していない。さらに、金融政策委員会(MPC)でタカ派として知られていたメンバーが辞任することになっているが、BoEは資産購入プログラムを予定通り年内に終了すると予想される。ただし、その他にタカ派的な兆候は今のところ見られない。

中国:経済成長の勢いが鈍化しており、リスクが警戒されている
China Growth

中国はコロナ禍からの早期回復を果たし、GDPが過去最高の伸びを記録したが、今後は長期平均に向けて成長率が徐々に低下すると見込まれる。上海で開催された陸家嘴フォーラムにおいて、中国人民銀行の理事は同国の経済成長が減速していると述べた。景気の過熱やインフレのオーバーシュートに対する懸念はなく、賢明かつ柔軟な金融政策が有効に機能しているとの認識が示された。とは言うものの、中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は信用リスクの高まりを警戒しており、シャドーバンキング(影の銀行)の取り締まりを強化する姿勢を引き続き示している。下半期に向け、中国の政策当局は経済成長を持続させ、堅調な雇用情勢を維持することを目指す一方で、過度な借り入れの伸びを抑制することに努めている。また、中国は内需拡大を意識した金融政策運営を継続するものと見られる。

中国の政策当局は少なくとも2022年2月の北京冬季オリンピックが終了するまで検疫や国境封鎖を継続すると見られる。

新型コロナウイルスに関しては、中国の政策当局は少なくとも2022年2月の北京冬季オリンピックが終了するまで検疫や国境封鎖を継続すると見られる。これにより、年間で2,500億ドルに相当する海外での支出が国内にとどまるため、中国の成長に対する影響は限定的になると考えられる。ただし、中国からの観光客に依存している国には悪影響が及ぶと見込まれる。この「新型コロナウイルス感染者ゼロ(Covid-zero)」アプローチはワクチン接種率とは関係なく実施される。中国では1日当たり2,000万回のワクチン接種が行われており、現在のハイペースが続けば、年末までに接種可能人口の100%がワクチン接種を完了すると見込まれている。

アウトルック

先進国市場:地域別レラティブ・バリュー

カナダ:カナダでは経済活動の再開が続いている中で、州債と社債のスプレッドは現在の狭い水準近辺で推移すると予想。長期債利回りは依然として上昇する可能性がある一方で、イールドカーブが織り込んでいる2022年までのカナダ中銀の2回の利上げは実現しないと予想する。
米国:利回りは第2四半期の取引レンジ内にとどまり、このレンジの下限近辺で推移すると見込まれる。
英国:新型コロナウイルスのパンデミックから脱却するに従って、金融政策と財政政策の強力な連携がやや弱まる可能性がある。英ポンドの動きに捉われないスタンスを維持しているが、貿易と資金フローの観点からすると、特にイングランド銀行(BoE) がハト派的な姿勢を維持した場合、英ポンドの下落圧力が強まる恐れがある。
欧州:ECBによる支援縮小や景気回復により、債券利回りは上昇する可能性があるものの、スプレッドの大幅な変化を強力に支持する(または支持しない)見方は確認できない。
日本:長期ゾーンで利回りが上昇すると考える。日銀は日本国債の購入を継続的に減らす一方、イールドカーブ・コントロールの枠組みを維持。こうした中で、10年までの利回りは低水準で推移する一方、10年超の利回りは上昇する可能性がある。
オーストラリア:景気が大幅に回復しているにもかかわらず、RBAは引き続き「忍耐」を強調しており、イールドカーブをこれまでで最も低い水準に維持している。高格付けの国際機関債をややオーバーウエイトしている。国際機関債は現在、準国債を上回る価値を提供している。。
エマージング市場についてはセクター別レラティブ・バリュー参照
米国 サービス部門の成長は引き続きコンセンサス予想を下回るペースにとどまり、一方で、製造業や建設業などの部門ではすでに回復が完了しているため、今後は緩やかな成長になると見込まれる。
カナダ カナダの景気回復は新型コロナウイルス関連の規制により第2四半期初めに減速したが、成長率は予想を上回った。利上げ観測が高まっているものの、不透明な環境の下でコア・インフレが1~3%のレンジの上限を下回って推移しているため、カナダ中央銀行は利上げに対して忍耐強い姿勢で臨むと思われる。
欧州 各国の財政支援は、今年と比較するとペースが鈍化するものの、来年も継続し、景気回復の勢いを加速させることがますます求められている。「次世代のEU」(NGEU)復興基金は今後数年にわたりゆっくりと構築される一方で、超国家的な安全資産のプールが増加すると考える。景気回復が進む中で、景気回復に伴い、ECBが資産購入プログラムを減額し、金融支援を縮小する可能性があるが、今後数ヶ月にわたり戦略見直し (Strategy Review)が焦点になると見込まれる。
英国 英国では、新型コロナウイルスのパンデミックに対する規制が第3四半期にすべて撤廃される可能性が高いが、これに伴う経済への影響は比較的小幅なものにとどまると予想される。主なリスクとしては、一時解雇されている労働者が一斉に職場復帰することにより、イングランド銀行(BoE)の想定を上回るペースでインフレが加速することや、欧州大陸と英国の関係をめぐる不透明感が継続することなどが挙げられる。
日本 日本では、ようやくワクチン接種が加速してきたため、景気回復が続くと考える。景気回復を支援するために、日銀は金融緩和政策を継続し、日本政府は柔軟な財政スタンスを維持すると見込まれる。
オーストラリア オーストラリアでは新型コロナウイルス関連の厳しい制限が実施されたことにより、経済成長率はほとんどの先進諸国を上回り、雇用および成長率は現在、パンデミック前の水準を上回っている。ワクチンの確保が遅れた場合、現在の成長ペースが鈍化する可能性があるが、オーストラリア準備銀行(RBA)と政府は、インフレや賃金の伸びが以前の水準に戻るまで超金融緩和政策や財政支援を通じて経済を支援すると表明している。

セクター別レラティブ・バリュー

投資適格社債
米国
見通し 短期的にはクレジットのファンダメンタルズに対して楽観的な見方を維持しているが、株主寄りの活動(例えば、LBOやM&A)に対して警戒している。良好な需給環境が続いているが、多くのセクターにおいて、バリュエーションはすでに新型コロナウイルスのパンデミック発生前の水準に戻っている。
レラティブ・バリュー +/- 銀行セクターや、経済活動が再開された業界の一部、許容されている場合は、ライジング・スター候補企業のオーバーウエイトを維持する。
欧州
見通し ほとんどのセクターではファンダメンタルズが改善している一方で、旅行やレジャーは依然として厳しい状況に直面している。プライベート・エクイティによる投資や、安価な借入コストにより、特定の銘柄やセクターでは再びレバレッジが高まる懸念がある。英国では、スーパーマーケット・セクターにおいてLBOの可能性がある。
レラティブ・バリュー - 低い国債利回りとECBの社債購入により、投資適格社債に対する需要が継続している。スプレッド水準が新型コロナウイルスのパンデミック発生前の水準に戻っていることを踏まえると、バリュエーションはもはや魅力的とは言えない。金融セクターの劣後債およびREITに投資機会が見られる。
オースト ラリア
見通し 新規発行が限定的であり、イールドカーブ・コントロールおよび過去最低水準のキャッシュ・レートの設定により生じた低リターンを背景に、利回りに対する旺盛な需要が存在しているため、クレジット市場は底堅く推移している。オーストラリア準備銀行(RBA)はこれらの政策を2024年まで維持する方針である。
レラティブ・バリュー + 投資適格セクターのオーバーウエイトを維持している。REITおよびインフラ・セクターは、金融セクターと比較して依然として相対的に魅力的である。これは、RBAの資金供給プログラムにより、このセクターにおける供給が抑えられ、スプレッドの抑制効果が見込まれるからである。
ハイ・イールド社債
米国
見通し 新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動の再開の傾向が強まったため、スプレッドは前四半期に続いて縮小した(42bpsの縮小)。当社は「経済活動の再開」を想定したポジションを継続しており、特定の景気循環セクター(航空会社、クルーズ船、および一部の小売セグメントなど)を、非景気循環セクターでは高格付けの一部の小売りセクターのオーバーウエイトを維持している。
レラティブ・バリュー + 銘柄選択および資産クラス配分が依然としてポートフォリオのパフォーマンスの重要な牽引役となっている。バリュエーションを踏まえ、トータルリターン、スプレッドの縮小の観点から選択的にポジションを増やす方針である(LBO目的の新規発行は避ける)。
欧州
見通し 企業業績が回復するに従って、信用格付けプロファイルは改善すると考える。供給が増加しており、すでに2019/2020年の水準を上回っているが、こうした供給は幅広い需要により吸収されている。
レラティブ・バリュー + スプレッドは2017年後半/2018年初めの水準に戻っているが、当時の最も縮小した水準よりも依然として50 bps拡大している。次の四半期においてもレンジ相場が続くと見込む。
バンクローン
米国
見通し 7,000億ドル規模のCLO市場の90%近くが年末までにそれぞれのノンコール期間を終了すると予想されているため、2021年には供給サイドの状況が引き続き中心テーマになると考えられる。米国の銀行、資産運用会社、および保険会社からの需要は安定しており、新規発行案件は順調に消化されており、スプレッドの大幅な拡大は見られない。
レラティブ・バリュー + バンクローン市場では、主にキャリーに加え、問題のある銘柄を避け、ファンダメンタルズや流動性が依然良好で、ポジティブ・コンベクシティの銘柄を選別して保有することで、アウトパフォームするだろう。
CLO
米国
見通し 足元のバリュエーション、ファンダメンタルズの堅調な見通し、および円/ドルの為替ヘッジコストの水準などから、市場では海外からの需要によりCLO市場に対する強力な追い風が生じると予想されている。デフォルト率が低水準で推移していることから、CLO市場でスプレッドが拡大した場合、絶好の買い場になると考えられる。
レラティブ・バリュー + AAA格のCLOは、弱気または強気のいずれのシナリオでも引き続き好調なパフォーマンスを上げるとの見方を維持している。供給は高水準で推移するが、これにより、今後数カ月において魅力的な水準で低格付けのCLOのポジションを増やす機会が生じると見込まれる。
欧州
見通し 2021年上半期は、S&P LCDによると、機関投資家による発行額が660億ユーロに達し、世界金融危機以降で、ローンの新規発行市場が最も活発な半年となった。M&A関連の案件の増加が予想される一方で、最近のCLO組成の鈍化により、短期的には供給過多の要素からローンのスプレッドが緩やかに拡大する可能性がある。しかし、年末まではキャリーによる安定したリターンを見込んでいる。
レラティブ・バリュー + 欧州経済の回復が加速すると見込まれる中、シングルB格のローンは魅力的なリターンを提供している。当社は、パンデミック後に回復して、潤沢なフリーキャッシュフローを創出し、財務レバレッジの高い資本構造の圧力を緩和する可能性のある、このカテゴリーのクレジットに注目している。
住宅ローン & 消費者ローン・クレジット
エージェンシーMBS
見通し 量的緩和の縮小をめぐる議論が高まり、供給が高止まりし、コンベクシティ・リスクを負うことが魅力的ではない中で、足元のバリュエーションを踏まえると、今後1年間にエージェンシーMBSではスプレッドが拡大するリスクが高まっていると考えられる。
レラティブ・バリュー - ポートフォリオを分散するため、エージェンシーCMBSや、高格付けのノン・エージェンシー・セクターへの配分に引き続き重点を置く。
ノン・エージェンシーRMBS
見通し 住宅市場はここ1年間にわたり堅調に推移し、全米住宅価格指数は前年比で14.6%上昇した。住宅市場の堅調なファンダメンタルズを背景に、住宅価格の上昇が続いている。
レラティブ・バリュー + 政府支援機関(GSE)のクレジット・リスク・トランスファー(CRT)証券や、レガシー・ノン・エージェンシーRMBS/新規発行のリパフォーミング・ローン(一時的に返済が滞納となっていたものの、再度返済が開始されたローン)に対して強気の見方を維持する。
ノン・エージェンシーCMBS
見通し 短期的には、商業用不動産市場が今回のパンデミックの悪影響からいつ完全に回復するかは不明のため、慎重姿勢を据え置く。
レラティブ・バリュー +/- デュレーションが短く、優れた資本構成に支えられたシングル・ボルワーの証券化商品およびローンに対して強気の見方を維持する。
資産担保証券(ABS)
見通し 消費関連のファンダメンタルズに対して慎重な見方を維持するとともに、経済に対するパンデミックの影響や不透明な回復ペースを踏まえ、消費者ABSセクターのクレジット・パフォーマンスにも警戒している。
レラティブ・バリュー +/– 新型コロナウイルスによる混乱の影響をそれほど受けていない高格付けのセクターの中で、十分な担保が付いているシニアABSを選好する。
インフレ連動債
米国
見通し メディアでは、サプライチェーンの混乱に伴う物価上昇が注目されている。一方、当社ではパンデミック発生前よりインフレ上昇を抑えた同じ要因により、長期のインフレ期待の上昇が抑えられると考えている。
レラティブ・バリュー - 短期および中期の物価連動債(TIPS)は2021年下半期に同等年限の米国債をアンダーパフォームする見込み。
欧州
見通し 付加価値税(VAT)の引き下げの影響が年間の数値から外れるとともに、商品価格の上昇がサービス部門の価格の正常化と重なるため、ユーロ圏では、短期間に留まる見込みだが、2021年下半期にインフレ率の上昇が予想される。
レラティブ・バリュー +/- 現在はユーロ圏のインフレ連動債に対して中立の姿勢を維持している。しかし、インフレ連動債が下落する局面ではポジションを増やすことを検討する。
日本
見通し 日本経済の回復を想定すると、物価連動債はかなり過小評価の状態にある。新規発行と買い戻しの差額が引き続き支援材料となっている。四半期ベースで見ると、総額2,000億円の物価連動債が発行された一方で、総額3,300億円の買い戻しが行われている。
レラティブ・バリュー + 名目利回りに対する実質利回りのオーバーウエイトを維持する。
地方債
米国
見通し 予想を上回る州および地方自治体の歳入や、連邦政府からの直接の支援策(継続されると見込まれる)により、地方債市場は循環的に下支えされる見込み。非課税及び課税地方債の追加発行の可能性から需給環境が注目される見込み。
レラティブ・バリュー + 景気回復の恩恵を受けると見込まれる発行体やセクター(特に運輸、ヘルスケア、および一部のハイ・イールド発行体など)を引き続き選好する。
エマージング債
米ドル建て
エマージング
ソブリン債
見通し 今回のパンデミックに伴う財政刺激策の資金を調達し、継続的な経済的打撃を抑えるために、エマージング諸国による米ドル建てソブリン債の発行は引き続き活発化すると考える。
レラティブ・バリュー +/- 引き続き一部の投資適格級の米ドル建てエマージング・ソブリン債を引き続き選好する。厳しい状況が続いているフロンティア諸国が発行する低格付けのソブリン債には慎重に対応する。
現地通貨建て
エマージング債
見通し 現地通貨建てエマージング債や資金フローは、米国とエマージング諸国の魅力的な実質金利差から引き続き恩恵を受けると見込まれる。世界貿易の再開を踏まえると、アジアはその恩恵を享受できると考えられる。
レラティブ・バリュー +/- 現地通貨建て債の相対的に魅力的な実質利回りや、より良好なリスク/リターン特性を踏まえ、現地通貨建て債を引き続き選好する一方で、銘柄を厳選する。
エマージング社債
見通し 先進国市場では与信基準が緩和されているにもかかわらず、エマージング社債はレバレッジが低く、保守的な財務方針を維持している。一方、この資産クラスでは純供給が少なく、投資家の関心が高まっているため、需給要因は非常に堅調と言える。
レラティブ・バリュー + 短期~中期のエマージング投資適格社債およびハイ・イールド社債の新規発行を引き続き上手く活用する。
見通し レラティブ・バリュー
投資適格社債
米国 短期的にはクレジットのファンダメンタルズに対して楽観的な見方を維持しているが、株主寄りの活動(例えば、LBOやM&A)に対して警戒している。良好な需給環境が続いているが、多くのセクターにおいて、バリュエーションはすでに新型コロナウイルスのパンデミック発生前の水準に戻っている。 +/- 銀行セクターや、経済活動が再開された業界の一部、許容されている場合は、ライジング・スター候補企業のオーバーウエイトを維持する。
欧州 ほとんどのセクターではファンダメンタルズが改善している一方で、旅行やレジャーは依然として厳しい状況に直面している。プライベート・エクイティによる投資や、安価な借入コストにより、特定の銘柄やセクターでは再びレバレッジが高まる懸念がある。英国では、スーパーマーケット・セクターにおいてLBOの可能性がある。 - 低い国債利回りとECBの社債購入により、投資適格社債に対する需要が継続している。スプレッド水準が新型コロナウイルスのパンデミック発生前の水準に戻っていることを踏まえると、バリュエーションはもはや魅力的とは言えない。金融セクターの劣後債およびREITに投資機会が見られる。
オースト ラリア 新規発行が限定的であり、イールドカーブ・コントロールおよび過去最低水準のキャッシュ・レートの設定により生じた低リターンを背景に、利回りに対する旺盛な需要が存在しているため、クレジット市場は底堅く推移している。オーストラリア準備銀行(RBA)はこれらの政策を2024年まで維持する方針である。 + 投資適格セクターのオーバーウエイトを維持している。REITおよびインフラ・セクターは、金融セクターと比較して依然として相対的に魅力的である。これは、RBAの資金供給プログラムにより、このセクターにおける供給が抑えられ、スプレッドの抑制効果が見込まれるからである。
ハイ・イールド社債
米国 新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動の再開の傾向が強まったため、スプレッドは前四半期に続いて縮小した(42bpsの縮小)。当社は「経済活動の再開」を想定したポジションを継続しており、特定の景気循環セクター(航空会社、クルーズ船、および一部の小売セグメントなど)を、非景気循環セクターでは高格付けの一部の小売りセクターのオーバーウエイトを維持している。 + 銘柄選択および資産クラス配分が依然としてポートフォリオのパフォーマンスの重要な牽引役となっている。バリュエーションを踏まえ、トータルリターン、スプレッドの縮小の観点から選択的にポジションを増やす方針である(LBO目的の新規発行は避ける)。
欧州 企業業績が回復するに従って、信用格付けプロファイルは改善すると考える。供給が増加しており、すでに2019/2020年の水準を上回っているが、こうした供給は幅広い需要により吸収されている。 + スプレッドは2017年後半/2018年初めの水準に戻っているが、当時の最も縮小した水準よりも依然として50 bps拡大している。次の四半期においてもレンジ相場が続くと見込む。
バンクローン
米国 7,000億ドル規模のCLO市場の90%近くが年末までにそれぞれのノンコール期間を終了すると予想されているため、2021年には供給サイドの状況が引き続き中心テーマになると考えられる。米国の銀行、資産運用会社、および保険会社からの需要は安定しており、新規発行案件は順調に消化されており、スプレッドの大幅な拡大は見られない。 + バンクローン市場では、主にキャリーに加え、問題のある銘柄を避け、ファンダメンタルズや流動性が依然良好で、ポジティブ・コンベクシティの銘柄を選別して保有することで、アウトパフォームするだろう。
CLO
米国 足元のバリュエーション、ファンダメンタルズの堅調な見通し、および円/ドルの為替ヘッジコストの水準などから、市場では海外からの需要によりCLO市場に対する強力な追い風が生じると予想されている。デフォルト率が低水準で推移していることから、CLO市場でスプレッドが拡大した場合、絶好の買い場になると考えられる。 + AAA格のCLOは、弱気または強気のいずれのシナリオでも引き続き好調なパフォーマンスを上げるとの見方を維持している。供給は高水準で推移するが、これにより、今後数カ月において魅力的な水準で低格付けのCLOのポジションを増やす機会が生じると見込まれる。
欧州 2021年上半期は、S&P LCDによると、機関投資家による発行額が660億ユーロに達し、世界金融危機以降で、ローンの新規発行市場が最も活発な半年となった。M&A関連の案件の増加が予想される一方で、最近のCLO組成の鈍化により、短期的には供給過多の要素からローンのスプレッドが緩やかに拡大する可能性がある。しかし、年末まではキャリーによる安定したリターンを見込んでいる。 + 欧州経済の回復が加速すると見込まれる中、シングルB格のローンは魅力的なリターンを提供している。当社は、パンデミック後に回復して、潤沢なフリーキャッシュフローを創出し、財務レバレッジの高い資本構造の圧力を緩和する可能性のある、このカテゴリーのクレジットに注目している。
住宅ローン & 消費者ローン・クレジット
エージェンシーMBS 量的緩和の縮小をめぐる議論が高まり、供給が高止まりし、コンベクシティ・リスクを負うことが魅力的ではない中で、足元のバリュエーションを踏まえると、今後1年間にエージェンシーMBSではスプレッドが拡大するリスクが高まっていると考えられる。 - ポートフォリオを分散するため、エージェンシーCMBSや、高格付けのノン・エージェンシー・セクターへの配分に引き続き重点を置く。
ノン・エージェンシーRMBS 住宅市場はここ1年間にわたり堅調に推移し、全米住宅価格指数は前年比で14.6%上昇した。住宅市場の堅調なファンダメンタルズを背景に、住宅価格の上昇が続いている。 + 政府支援機関(GSE)のクレジット・リスク・トランスファー(CRT)証券や、レガシー・ノン・エージェンシーRMBS/新規発行のリパフォーミング・ローン(一時的に返済が滞納となっていたものの、再度返済が開始されたローン)に対して強気の見方を維持する。
ノン・エージェンシーCMBS 短期的には、商業用不動産市場が今回のパンデミックの悪影響からいつ完全に回復するかは不明のため、慎重姿勢を据え置く。 +/- デュレーションが短く、優れた資本構成に支えられたシングル・ボルワーの証券化商品およびローンに対して強気の見方を維持する。
資産担保証券(ABS) 消費関連のファンダメンタルズに対して慎重な見方を維持するとともに、経済に対するパンデミックの影響や不透明な回復ペースを踏まえ、消費者ABSセクターのクレジット・パフォーマンスにも警戒している。 +/– 新型コロナウイルスによる混乱の影響をそれほど受けていない高格付けのセクターの中で、十分な担保が付いているシニアABSを選好する。
インフレ連動債
米国 メディアでは、サプライチェーンの混乱に伴う物価上昇が注目されている。一方、当社ではパンデミック発生前よりインフレ上昇を抑えた同じ要因により、長期のインフレ期待の上昇が抑えられると考えている。 - 短期および中期の物価連動債(TIPS)は2021年下半期に同等年限の米国債をアンダーパフォームする見込み。
欧州 付加価値税(VAT)の引き下げの影響が年間の数値から外れるとともに、商品価格の上昇がサービス部門の価格の正常化と重なるため、ユーロ圏では、短期間に留まる見込みだが、2021年下半期にインフレ率の上昇が予想される。 +/- 現在はユーロ圏のインフレ連動債に対して中立の姿勢を維持している。しかし、インフレ連動債が下落する局面ではポジションを増やすことを検討する。
日本 日本経済の回復を想定すると、物価連動債はかなり過小評価の状態にある。新規発行と買い戻しの差額が引き続き支援材料となっている。四半期ベースで見ると、総額2,000億円の物価連動債が発行された一方で、総額3,300億円の買い戻しが行われている。 + 名目利回りに対する実質利回りのオーバーウエイトを維持する。
地方債
米国 予想を上回る州および地方自治体の歳入や、連邦政府からの直接の支援策(継続されると見込まれる)により、地方債市場は循環的に下支えされる見込み。非課税及び課税地方債の追加発行の可能性から需給環境が注目される見込み。 + 景気回復の恩恵を受けると見込まれる発行体やセクター(特に運輸、ヘルスケア、および一部のハイ・イールド発行体など)を引き続き選好する。
エマージング債
米ドル建て
エマージング
ソブリン債
今回のパンデミックに伴う財政刺激策の資金を調達し、継続的な経済的打撃を抑えるために、エマージング諸国による米ドル建てソブリン債の発行は引き続き活発化すると考える。 +/- 引き続き一部の投資適格級の米ドル建てエマージング・ソブリン債を引き続き選好する。厳しい状況が続いているフロンティア諸国が発行する低格付けのソブリン債には慎重に対応する。
現地通貨建て
エマージング債
現地通貨建てエマージング債や資金フローは、米国とエマージング諸国の魅力的な実質金利差から引き続き恩恵を受けると見込まれる。世界貿易の再開を踏まえると、アジアはその恩恵を享受できると考えられる。 +/- 現地通貨建て債の相対的に魅力的な実質利回りや、より良好なリスク/リターン特性を踏まえ、現地通貨建て債を引き続き選好する一方で、銘柄を厳選する。
エマージング社債 先進国市場では与信基準が緩和されているにもかかわらず、エマージング社債はレバレッジが低く、保守的な財務方針を維持している。一方、この資産クラスでは純供給が少なく、投資家の関心が高まっているため、需給要因は非常に堅調と言える。 + 短期~中期のエマージング投資適格社債およびハイ・イールド社債の新規発行を引き続き上手く活用する。