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米国 |
企業のバランスシートは引き続き健全であるため、景気減速を乗り切ることが可能であると考えられる。不透明なマクロ環境が続く中で、企業の経営陣は概ね保守的な姿勢を維持しているが、債券保有者に不利益をもたらすM&Aの増加について注視している。 |
+/- スプレッドはソフトランディングをすでに織り込んでいるため、ネガティブ・サプライズが発生した場合には損失が生じる恐れがある。需給環境が良好であることを踏まえ、中立に近いスタンスを維持する方針である。 |
欧州 |
経済成長は停滞しているが、投資適格社債のファンダメンタルズは比較的底堅く推移している。銀行は好業績を維持しており、銀行セクターには投資妙味があると考えられる。ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の再投資を2024年末に終了する予定であるが、社債に対する需要は堅調に推移している。 |
+/- スプレッドは2023年10月~12月期に堅調なパフォーマンスとなり、過去平均と比べてやや縮小した水準にある。債券に対する健全な需要があるため、スプレッドは縮小した水準で推移する可能性があるが、より有利な購入機会が訪れる可能性もある。 |
オースト ラリア |
景気減速懸念があるものの、クレジットのファンダメンタルズは健全な状態を維持している。当社では、インフレ圧力の高止まりに対処でき、ディフェンシブな性質を持つ発行体に注目している。幸い、オーストラリアの多くの発行体は市場を独占または複占しているため、このような特性を有しており、規制を受けている資産の多くは利益率を確保できると見込まれる。 |
+ 当社ではクレジットのオーバーウエイトを維持しており、特に短期の保有では、規制に守られた経営を行っている一部のREIT、公益セクターおよびインフラ・セクターを選好している。また、無担保の金融シニア債や、海外の大手銀行の新発債も選好している。 |
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米国 |
ハイ・イールド社債のスプレッドは比較的魅力的な水準。利回りは魅力的なリターンを提供する可能性がある。市場全体の格付け水準が高いことから、デフォルト率は過去平均に近い水準、またはそれを下回る水準で推移する可能性がある。発行が低水準で推移する中、魅力的な利回りを求めた機関投資家や個人投資家の資金が集まり、需給環境は市場のサポート要因になり得る。 |
+ 当社は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う不況からまだ回復途上にあるサービス関連セクター(航空、クルーズ船、およびホテルなど経済活動を再開した業種)や、ライジングスターの候補銘柄に投資機会を見出している。消費や小売り、住宅建設関連は注視している。 |
欧州 |
最近の企業業績を見る限り、企業のファンダメンタルズは概ね健全である。欧州経済が低迷している中で、景気循環セクターでは一部に弱さが見られる。2024年1月~3月期には社債の供給が増加すると見込まれるが、質の高い銘柄や、借り換え目的の発行が引き続き中心になると予想される。純発行は低水準で推移すると予想される。 |
+/- ハイ・イールド社債セクターのスプレッドは2023年10月~12月期、5年間の平均水準以下に縮小し、その後は不安定な展開となっている。償還期限が短いコーラブル社債銘柄を引き続き選好しており、新規発行銘柄については投資先を厳選し、BB格/B格の銘柄に注目している。一方、特定の景気循環セクター(化学、建設資材、包装)に対しては慎重な姿勢を維持している。 |
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米国 |
バンクローンのスプレッドは比較的魅力的である。金利上昇や景気減速の影響により、バンクローンのファンダメンタルズは悪化したが、足元の利回りは高く、デフォルト率の上昇に対して十分なクッションが提供されている。バンクローンのバリュエーションは改善している。また、アンダーパーの変動金利ローンに対するCLOからの需要が存在する一方で、新規発行は限定的であり、需要が供給を上回り、需給環境が改善する可能性がある。 |
+ バンクローン市場では、銘柄を厳選し、問題のある銘柄を避けることでアウトパフォームするだろう。ファンダメンタルズが改善しており、コール価格を下回る水準で取引されている企業を重視する。 |
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米国 |
CLOアービトラージ取引を取り巻く環境が改善し、マクロ環境が広範囲にわたり安定して推移した場合、CLOの発行が増加し、短期的にはスプレッドが比較的レンジ内で推移すると見込まれる。海外投資家のヘッジコストは高止まりしているが、高格付けのCLOは依然として、限定的な信用リスクに対して魅力的な利回りを提供している。 |
+ AAA格のCLOは非常に魅力的であると見ており、このCLOは堅固な構造的プロテクションを有していることから、バンクローンのスプレッドにとって強気または弱気のいずれの環境でも引き続き好調なパフォーマンスを上げるとの見方を維持している。 |
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エージェンシーMBS |
エージェンシー・モーゲージ(MBS)は現在、スプレッドが魅力的な水準で、期限前償還リスク(プリペイメント・リスク)が構造的に低く、ファンダメンタルズも堅調である。FRBや銀行の需要減少とボラティリティの上昇が依然としてマイナス要因となっているが、当セクターは投資機会をもたらしている。 |
+ サブセクター15年物よりも30年~20年物を選好。利回りやコンベクシティを向上させるため、銘柄選択に重点を置いている。 |
ノン・エージェンシーRMBS |
住宅ローン金利の低下、インフレ率の鈍化、および消費者信頼感の上昇などにより、米国では住宅の値ごろ感が改善している。全米の住宅価格の上昇率は長期平均である年率3~4%に近づいていることから、短期的には住宅価格の上昇が抑えられると予想される。地域別に見ると、住宅価格と在庫水準のばらつきが拡大しており、今後もこうした状況が続く可能性がある。不動産市場は様々なマクロ問題に直面しているものの、住宅ローン市場でデフォルト率が大幅に高まる可能性は低いと考えられる。 |
+ 魅力的な借り手のプロフィールと高い信用力を持つ政府支援機関(GSE)の信用リスク移転債(CRT)や、非適格住宅ローン(Non-QM)を選好する。 |
ノン・エージェンシーCMBS |
シニア証券のスプレッドは2023年10月~12月期に30bps縮小し、価格は大幅に上昇した。一方、相対ベースでは、資本構成全体にわたりスプレッドが拡大した水準にあり、特にメザニン証券と劣後証券についてはスプレッドが大幅に拡大している。新たに組成されるCMBSのクーポンが低下していることから、取引や借り換えが増加すると見込まれる。一方、オフィス市場のセンチメントは改善していない。 |
+ 質が高く、借り手のエクイティが大きい不動産に対する低レバレッジのエクスポージャーは、コンデュイット型CMBS市場や、シングルアセット/シングルボロワー(SASB)型CMBS市場において、魅力的な投資機会を提供している。 |
資産担保証券(ABS) |
消費者のファンダメンタルズは引き続き堅調であるが、低所得層の消費者は借入を増やしているため、信用力が悪化している。当社では消費者のファンダメンタルズに対して慎重な姿勢を維持しており、格付けの低い消費者ローンABSセクターの信用力の悪化に注意を払っている。格付けの高い消費者ローンABSセクターや、定評のあるスポンサー、見通しが良好なセクターを選好している。 |
+ クレジット・カーブはフラット化した。格付けの高い消費者セクターやオン・ザ・ランのABSセクターにおけるAAA格のシニア債に注力している。 |
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米国 |
米国物価連動国債の実質利回りは前回のサイクルのピーク水準を上回っており、魅力的である。ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)の水準は、イールドカーブ全体にわたりFRBの目標に近づいている。今後もディスインフレ傾向が続くと予想されるものの、インフレ連動債(TIPS)は現在、アウトライト取引で、また、ほとんどのリスク・シナリオにおいて、米国債と比較して高い価値を示している。 |
+ 長期のBEIは、名目米国債と比較してフェア・バリューだが、米国債券ポートフォリオに分散効果をもたらす資産クラスとしては魅力的であると思われる。 |
欧州 |
ユーロ圏のインフレ期待が大幅に低下する中で、債券利回りは2023年10月~12月期に低下した。インフレ率の緩やかな低下傾向が続くと予想され、特にコアインフレ率の低下が目立ち始めている。短期インフレ連動債の利回りは、ECBのインフレ目標とほぼ同水準。 |
+/- 現在の利回り水準を踏まえ、インフレ連動債に対する見方を中立としている。30年物のインフレ連動債のバリュエーションは過去平均よりもやや割高である一方、バリュエーションは短期インフレ連動債の過去平均と同水準である。 |
日本 |
10年物のBEIが2%を大きく下回っているため、日本の物価連動国債は依然割安である。インフレ率は高水準で推移すると予想されるが、その後、年末にかけて鈍化すると予想される。しかし、コアインフレ率が予想よりも持続して上昇していることから、インフレ圧力は当初の予想よりも強まっている。 |
+ 名目利回りに対する実質利回りのオーバーウエイトを維持する。 |
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米国 |
地方債は昨年末にかけて堅調なパフォーマンスとなったが、地方債の名目利回りや非課税収入はここ10年近くで最も高い水準となっている。FRBは2024年に利下げに転じると予想されているため、預金金利が低下する可能性がある。一方、潤沢な税収を背景に、地方債は健全な信用力を有しているため、地方債に対する需要が増加し、結果として地方債市場は堅調に推移すると予想される。 |
+ デュレーションを長期化する機会を模索している。納税申告シーズンを前に市場のボラティリティが高まれば、より有利な購入機会が訪れる可能性がある。投資適格地方債の中でも格付けの低い証券を選好している。一方、一部のハイ・イールド・セクターについては、経済情勢の悪化によってパフォーマンスが低下する恐れがあるため、慎重な姿勢を維持する。 |
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米ドル建て エマージング ソブリン債 |
FRBの利下げ、コモディティ価格の安定、および地政学的リスクの後退などが、エマージングソブリン債価格の上昇要因になると見られる。リスク要因としては、米国の「高金利の長期化」シナリオ、予想外の地域紛争の勃発、およびエマージング市場と先進国市場の選挙に伴う市場ボラティリティの高まりなどが挙げられる。 |
+ フロンティア市場のソブリン債はバリュエーションが割安であるため、2024年に魅力的なトータル・リターンを生み出す可能性がある。投資に際しては、各国特有の信用リスク状況を勘案する必要がある。 |
現地通貨建て エマージング債 |
エマージング市場の中央銀行はここ2年間にわたり積極的な金融引き締めを実施していることから、2024年には金利と外国為替の両方の見通しが良好。ラテンアメリカの中央銀行は利下げを開始しているが、今後も金融緩和を継続するかどうかはFRBの政策次第である。 |
+ 為替市場はマクロ経済動向の影響を受けやすいが、上昇していた特にラテンアメリカの現地通貨建てエマージング債券利回りは、ディスインフレの継続と米国のソフトランディングの恩恵を受ける可能性がある。一方、アジアの現地通貨建て債券利回りは米国利回りと比較して歴史的な低水準にある。 |
エマージング社債 |
エマージング社債は健全なバランスシートを維持しているが、現地の金利が上昇していることや、世界の金融状況が逼迫していることを踏まえ、当社は国内での発行に特化している発行体の流動性を注視している。一方、景気循環セクターは欧州や中国の景気減速による悪影響を受けている。 |
+/- エマージング社債のバリュエーションは先進国社債と比較してタイトであることから、流通市場よりも割安な水準で購入できる新規発行市場に注目している。エマージング社債はデュレーションが短く、ボラティリティが低いことから、エマージング市場への保守的な配分を模索している投資家に適した資産であるかもしれない。 |