Q4 2025

マクロ経済見通し:
グローバル経済の展望

  • OECD諸国では、2007年をピークに労働年齢人口が着実に減少している。労働市場の状況は地域ごとに異なるが、経済成長、インフレ、財政・金融・貿易政策といった景気循環要因の影響を受けている。人口動態、技術革新、移民政策、地政学的要素といった構造的要因が、長期的なトレンドに対してますます大きな影響を持つようになっている。
  • 米国では、労働供給の増加と雇用喪失の双方により、失業率が緩やかに上昇している。賃金上昇率の鈍化や解雇率の上昇は、景気後退ではなく、労働市場の正常化を示唆している。
  • ユーロ圏では、南欧諸国の景気回復や移民流入が労働年齢人口の減少を緩和し、歴史的な低失業率を実現している。
  • 高齢化は、労働力人口の成長や経済成長のポテンシャル、財政の持続可能性の悪化など、各地域の政策担当者にとって大きな課題となっている。
  • 国・地域ごとに労働市場の課題は異なり、日本では人手不足、新興国では若年層失業など、多様な政策対応が求められている。
概要

世界の労働市場は、景気循環要因と構造的要因、貿易政策の変化、人口動態、技術革新、移民政策、地政学的動向など、複数の要素によって大きな変化を迎えている。新型コロナウイルスのパンデミック(以下「パンデミック」)後の経済は、多くの地域で労働市場が堅調に推移し、大規模な財政支援が雇用創出を後押し、失業率を歴史的な低水準に押し下げてきた。しかし、最近では雇用創出のペースが鈍化し、失業率が徐々に上昇する傾向が見られる。米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとする多くの中央銀行は、インフレ率が目標を上回る中でも政策金利を引き下げている。この複雑な環境下では、労働市場の動向、金利動向、中央銀行政策、経済見通しなどを慎重に分析する必要がある。

当レポートでは、米国、ユーロ圏、英国、日本、オーストラリア、中南米、アジア各国の労働市場動向を概観し、人口動態の変化、移民政策、技術革新が労働市場に与える影響や、地域ごとの重要とされる要素について解説する。具体的には、ある国・地域では人手不足や賃金上昇が見られる一方、他では特定の労働者層に関する課題が顕在化している。

グローバルの各拠点の運用者による見通し


マークS.リンドブルーム
副CIO 兼 ブロード・マーケット部門統括責任者

ニコラス J. マストロアニCFA
ポートフォリオ・マネージャー

出所:米国労働統計局、へーバー、ウエスタン・アセット 2025年9月23日現在

 

パンデミック後の米国経済を特徴づけてきたのは、力強い労働市場である。公的部門による大規模な財政支援が財・サービス需要を押し上げ、雇用創出と賃金上昇を促し、失業率は過去50年以上で最低水準となった。しかし、2023年4月の3.4%を底に、失業率は4.3%まで緩やかに上昇している。これは労働供給の増加と雇用喪失の双方が要因である。近年は移民政策の厳格化や高齢化の影響で労働力人口の伸びが鈍化し、失業率の上昇を抑えるために必要な雇用創出水準について疑問が生じている。

雇用創出のペースは鈍化しているが、失業率の上昇は緩やかである。FRBは「採用も解雇も少ない」労働市場を懸念材料と捉えている。2025年には医療分野が新規雇用の8割以上を占めるなど、雇用創出の範囲が大きく狭まっている。とはいえ、賃金上昇率や解雇率、求人件数は、労働市場が縮小しているというよりは正常化している印象を与える。トランプ政権下での貿易・移民政策は、労働市場に不確実性をもたらし、需要を抑制しつつ新規労働者の流入を減らして供給面も制約している。

FRBは雇用創出の鈍化や失業率の上昇、下振れリスクの高まりを理由に政策金利を引き下げている。これは、インフレ率が2%の目標水準を4年以上連続して上回っているにも関わらず実施されている措置である。雇用と物価の二重の使命がより強く対立する中、FRBは労働市場の冷え込みを支えつつ、インフレを持続可能な水準に導くという難題に直面している。加えて、関税による物価上昇圧力の全容が依然不透明である。

最近のFRBの発言では、労働市場の健全性を測る指標として、月次の雇用増加数よりも失業率が重視され傾向が見られる。仮に失業率がさらに上昇した場合でも、金融政策の緩和は限定的にとどまる可能性が高い。市場が織り込むような大幅な利下げには、労働市場の著しい悪化が不可欠となるだろう。現状、失業保険の新規・継続申請件数は過去数年の安定した水準を維持しており、労働市場のストレスが家計所得や個人消費に波及し始めるタイミングを示す、最も明確な先行指標であると考えられる。

現状、経済成長率は潜在成長率を下回っているが、2026年にはよりトレンドに近い成長へと移行すると見込まれる。この改善は、2026年に発効する財政政策による下支え、世界貿易の不確実性の低下、短期金利の低下、企業および家計の支出の持続によってもたらされるだろう。失業保険申請件数が大幅に増加した場合には、基本シナリオの見直しが必要となる。不確実性が依然として高い政治、地政学、財政、貿易要因についても十分に認識している。ポートフォリオ構築においては、リスク分散とバランスの観点から、米国国債のイールドカーブのスティープ化を重視している。


リチャード A. ブース
ポートフォリオ・マネージャー

ユーロ圏の失業率は現在6.2%であり、1998年に統計が開始されて以来、最も低い水準である。これは、2000年から2006年の平均9.0%から大きく改善しており、過去10年間で顕著な進展が見られる。

出所:欧州共同体統計局、ヘイバー・アナリティクス 、ウエスタン・アセット 2025年7月31日現在

地域間の格差は、世界金融危機およびユーロ圏債務危機後に大きく拡大したものの、現在は縮小傾向にある。南欧諸国(イタリアとスペイン)の雇用環境の改善が、ユーロ圏全体の失業率の低下を牽引している。一方で、フランスやドイツでは製造業の不振を背景に、失業率が緩やかに上昇しているものの、南欧の堅調な雇用がその影響を打ち消している。こうした地域ごとの異なる動きは、最近イタリアやスペインの国債スプレッドが対フランスで縮小している最近の傾向の背景にもなっている。

出所:欧州共同体統計局、ヘイバー・アナリティクス 、ウエスタン・アセット 2025年7月31日現在

近年の欧州の労働市場を大きく動かしてきた根本的な要因の一つは、高齢化による労働力不足がある。世界金融危機以降、パンデミックに至るまで労働年齢人口が減少してきたことは懸念材料だが、今後はその減少ペースが加速すると見込まれている。しかし、緩和要因もある。例えば、労働力人口(就業者および求職者)は着実に増加しており、20~64歳の非活動的労働力人口(求職活動をしていない人)は減少傾向にある。つまり、これまでより多くの人々が経済活動に参加している状況である。

2010年以降、2015年のシリア、2022年のウクライナなどの地政学的要因や経済的機会を背景に、多くの外国人移民が労働市場に参入した。この流入は、国内の労働年齢人口の予想される減少を食い止める役割を果たしており、移民政策の厳格化を主張する政党への支持拡大の一因ともなっている。最近の移民規制強化は、ユーロ圏の国内(移民以外の)労働年齢人口の増加に寄与した可能性がある。労働力人口の拡大と生産性の向上は経済成長の原動力であり、総雇用者数や労働時間の減少は成長を鈍化させる要因となる。

過去20年間で、65歳以上の非活動的労働力人口は1,640万人増加し、20~64歳の就業者数は1,990万人増加した。その結果、退職者と労働者の比率は40%から45%へと上昇している。この変化は、緩やかではあるが、納税者の割合が相対的に減少する中で、高齢者支援のための医療・社会保障費の増加という財政的課題が継続していることを示している。

欧州中央銀行(ECB)は、2026年の低失業率予想が成長を下支えすると見ている。フランスやドイツで失業率が大幅に上昇し、南欧で労働需要が停滞しない限り、ECBの政策に大きな影響はないだろう。

財政面でより深刻な課題や政治的対立を抱える国、例えばフランスでは、移民、政治的分断、財政政策の相互作用が、国債スプレッドの拡大や長期債のバリュエーションに影響を与えている。(長期国債利回りのタームプレミアムは、政府が増大する財政負担を管理できるかどうかに対する投資家の信認を反映している)。ポートフォリオ構築においては、ユーロ圏のコア中期債を小幅オーバーウエイトし、ユーロのロングポジションを組み合わせている。


ディーン・フレンチ
ポートフォリオ・マネージャー

英国も同様の人口動態の変化に直面しており、年金受給者向けの給付や医療費に対する公的支出の割合が増加している。一方で、出生率の低下により、今後数十年で労働年齢人口が減少していく見通しだ。海外から労働力を受け入れることでこの傾向を緩和することは可能だが、最近のYouGov1の世論調査によると、移民問題が有権者にとって最も重要な課題となっており、回答者の70%が「移民は多すぎる」と考えている。このことは政策担当者にとって大きな課題となっており、長期的な見通しにも重要な影響を及ぼすだろう。テクノロジーがこの課題をある程度緩和する可能性はあるものの、足元では雇用コストの上昇が労働市場の最大の要因となっており、多くの英国企業が採用を抑制している。先行指標を見ると、労働市場はさらに緩む見通しだ。需給の緩みが続けば、賃金上昇率はさらに鈍化し、国内のインフレ圧力も和らぐと予想される。これが、イングランド銀行が市場予想以上に政策金利を引き下げるとみている主な理由だ。この見通しを反映し、短期金利と英国債の5年から10年ゾーンのオーバーウエイトを中心に、ポートフォリオのデュレーションをオーバーウエイトしている。


木村 浩幸
日本拠点投資運用部長

日本では、人口減少という人口動態の問題が労働市場に大きな影響を与えている。生産年齢人口(15~64歳)は1995年に8,700万人でピークを迎え、2025年には16%減少して7,300万人となる見通しだ。しかし興味深いことに、女性や高齢者の労働市場への参入によって労働参加率が上昇し、労働力人口は1995年の6,700万人から2025年には7,000万人に、就業者数も6,400万人から6,800万人へと増加している。

問題は労働力不足だ。労働力人口の伸びが鈍化する一方で、景気が徐々に回復しているため、ここ数年で労働力不足が顕在化している。日本銀行の短観雇用判断DIでも深刻な人手不足が示されている。2025年8月の失業率は2.3%まで低下し、日本経済はほぼ完全雇用の状態に近づいている。2022年以降、賃金上昇率も高まっており、企業の価格設定行動にも値上げ志向が見られるなど、インフレ期待の高まりがうかがえる。その結果、コアCPIは3年連続で日銀のインフレ目標である2%を上回っている。

経済面では、労働市場の逼迫と名目賃金の上昇を背景に、インフレ率が高い中でも消費活動は徐々に回復している。デジタル投資に加え、企業の設備投資も人手不足を補うため高水準となっており、これが経済の牽引役となっている。一方で、労働力不足は企業活動や経済成長の制約要因でもある。

日銀は引き続き金融緩和政策を維持している。長期的なインフレ期待が政策目標の2%に定着していないことから、実質政策金利は約-3%の水準にある。しかし、労働力不足を主因として日本のインフレ構造は明らかに変化しており、日銀の金融政策の正常化は今後さらに進展するとみている。

短期的には、日銀による追加利上げに伴い長期金利は上昇すると予想している。ただし、長期的には人口減少による需要の鈍化が成長率やインフレ率の抑制要因となるため、金利が大きく上昇する可能性は低い。

また、社会保障制度の持続可能性の低下も大きな課題だ。高齢化に伴い医療・介護費用は拡大する一方で、負担を担う現役世代は減少していく。このまま財政規律が強化されず、生産性向上も進まなければ、財政拡張と長期金利の上昇につながると予想している。


アンソニー・カーカムCFA
副CIO 兼 アジア・パシフィック運用部門統括責任者

オーストラリアの労働市場は、景気循環要因、構造的要因、地政学的要因が複雑に絡み合う中で推移している。2025年8月時点の失業率は4.2%と、パンデミック前より約1ポイント低い水準を維持しているが、最近は雇用の伸びが鈍化している。ただし、企業調査によれば、企業の雇用意欲は改善傾向にある。

雇用の伸びの鈍化の主因は、オーストラリア準備銀行(RBA)の金融引き締めによる景気循環的な影響だ。しかし、中央銀行が2025年5月に政策を緩和し始めて以降、民間需要の改善兆候がすでに見られている。

貿易面では、オーストラリア・米国間で10%という最低水準の関税設定を受けており、これは米国に対して世界第2位の貿易黒字を持つことが背景にある。中国との関係改善も輸出産業を下支えしている。同時に、インドや東南アジアとの取引拡大も新たな雇用機会を生み出している。貿易政策の直接的な影響は限定的だが、主要貿易相手国(特に中国)が関税の影響を受けているため、間接的な影響は今後も続く見込みだ。これにより一部投資のタイミングに影響が出ているが、短期的には国内要因が成長回復を牽引するとみている。

連邦政府が導入・拡充した国家障害者保険制度(NDIS)により、過去10年間にヘルスケアセクターが成長した。一方で、コスト増加も顕著で、厳格な管理導入により当セクターでの雇用はやや落ち着いている。今後もベビーブーマー世代の高齢化に伴い、継続的に成長が見込まれるだろう。

また、移民の増加は、ヘルスケアセクターだけでなく、建設セクターやテクノロジーセクターにおける労働力不足を補う役割を果たしてきた。過去にパンデミック時の国境封鎖によって移民の流入が大幅に制限され、労働市場の状況が一時的に複雑化したが、現在は移民の受け入れが再開され、賃金上昇圧力の抑制にも寄与している。

一方で、急速な人口増加により住宅需要が急拡大し、住宅分野への圧力が高まっているため、移民による賃金コストの抑制効果が相殺されている。加えて、州・連邦政府による大規模なインフラプロジェクトが多くの熟練労働者を建設分野に引き付けていることから、住宅建設に必要な人材が不足し、住宅供給がさらに制約されている。こうした住宅市場の需給バランスの調整は、RBAが今後も注視すべき重要な課題であり、住宅価格や家賃の上昇が金融政策の運営にとって新たな制約要因となる可能性がある。

RBAがインフレ率を目標レンジに戻すことに成功した結果、物価上昇のペースが落ち着き、実質賃金(名目賃金からインフレ分を差し引いた購買力)が上昇に転じている。昨年実施された減税措置は、所得が増えるにつれて自動的に税率が上がる「ブラケットクリープ」と呼ばれる現象を抑制し、家計の手取り収入の増加に寄与している。さらに、今年RBAが変動金利型住宅ローン市場向けに0.75%の利下げを実施したことで、住宅ローンの返済負担が軽減され、多くの消費者の可処分所得が大きく改善した。これらの要因が重なり、過去数年にわたる生活費の高騰によって減少していた家計の貯蓄を再び積み増すことが可能となり、消費の回復と成長を後押しする状況が生まれている。一方で、移民政策が継続されていることにより、人口増加が住宅需要を押し上げ、住宅価格や家賃の上昇圧力が続いている。このような環境下では、RBAが金利を大幅に引き下げる余地は限定的となり、今後の金利サイクルは比較的浅いものにとどまると予想される。


プラシャント・チャンドランCFA
米国エマージング市場運用チーム暫定統括責任者

中南米の各国は、それぞれ独自の経済発展の歴史や、貿易相手、財政・金融政策、人口動態、そして生産性向上のための技術活用の特徴を持っている。しかし、一般的に多くの中南米諸国では、インフレ率が落ち着きつつある中で比較的高い実質金利が維持されており、新興国の中央銀行は必要に応じて利下げを行い、経済成長を促す余地がある状況だ。

出所:欧州共同体統計局、ヘイバー・アナリティクス 、ウエスタン・アセット 2025年7月31日現在

OECDの「Trade in Employment(TiM)」データベースを用いることで、各国の国内労働市場が米国との貿易にどれほど依存しているかを比較できる。予想通り、その依存度は地域によって大きく異なる。

特にメキシコは、米国との貿易が減速した場合の影響を最も受けやすい国だ。国内労働力の15%以が、米国のメキシコ製品需要に直接・間接的に結びついている。仮に米国の輸入需要が減少すれば、他の条件が一定であればメキシコの労働需要は低下する。ただし、近年進む「ニアショアリング」による貿易の再編によって、地理的な優位性や比較的低い労働コストなどメキシコの強みがさらに活かされ、関税政策の影響も相まって労働需要が増加する可能性もある。

一方、メキシコ以外の中南米諸国は、地域の貿易の多様性を示している。ペルーやチリのような輸出志向型の経済は米国への依存度が高いものの、輸出先の多様化(例えば中国への輸出拡大)によって米国需要の減少を緩和できる。コロンビアは米国への依存度が平均よりやや高いが、ブラジルは近年輸出先が大きく中国へシフトしており、米国需要への依存度は比較的低い。

長期的に見ると、中南米の人口動態の優位性が大きな恩恵をもたらすと考えられる。従属人口比率は、働き手が扶養すべき人口の割合を示す指標であり、比率が高いほど、少ない労働力で多くの従属人口を支える必要があることを意味する。

他地域と比較すると、中南米の状況は際立っている。先進国の多くは過去数十年で従属人口比率の最低水準を迎えたが、中南米諸国は今まさにその水準に到達しつつある。この動向は、中南米の労働市場が近年享受してきた相対的なコスト優位性を今後も維持・強化する可能性が高い。

出所:国連貿易開発会議  2024年9月11日現在

中南米の人口ボーナスによる成長効果は、今後数年で本格的に現れると期待される。短期的には、世界的な貿易関係の変化に応じて、中南米の労働市場も需要の変動に反応するだろう。結果が現れるまでには数四半期を要する見込みだが、もし労働需要が予想以上に減少すれば、各国の中央銀行は国内需要の落ち込みを緩和するために利下げで対応するだろう。

まとめると、米国の貿易や移民政策による景気循環的な圧力は、中南米諸国の一部に課題をもたらす可能性があるものの、その影響は地域全体で一様ではない。政策対応は米国との貿易関係や依存度によって異なり、長期的な構造的トレンドは今後も維持される見通しだ。若く拡大する労働力人口は、賃金上昇圧力を抑えつつ、各国政府がインフラや技術投資を進める余地を広げ、労働生産性のさらなる向上につながるだろう。


デズモンド・ス―ン CFA
シンガポール運用部門統括責任者

アジアは経済的に多様な地域であり、韓国、香港、シンガポールのような先進国から、中国、マレーシア、タイといった中堅経済国、さらにインドネシア、インド、フィリピンなどの新興国まで幅広く存在している。労働市場もまた、こうした経済の多様性を反映して非常に多様である。


アジアにおける先進国の労働市場は、賃金水準が高く、過少雇用や失業も少ないため、より安定している。韓国では、労働組合が労働者の待遇や権利の擁護に積極的に取り組んでいる。中国では、若年層の失業問題や短期・柔軟な雇用形態の労働者が長期的な課題となる可能性があるが、当局は社会の安定維持や政府による支援策の実施に長年の実績を持っている。アジアにおける先進国は、経常収支が黒字で貯蓄率も高く、一般的に財政赤字の資金調達を海外資金に依存していない。そのため、財政政策や金融政策を活用して経済成長や雇用創出を図る余地が大きい。


アジアにおける新興国の中でも、インドのように大規模な労働人口を抱える国々は、AIの進展によって業務処理系の仕事が減少したり、トランプ政権による関税やビザ規制の影響を受けたりするリスクがある。また、インドネシアやネパールで若者の過少雇用や失業が深刻化し、経済状況や将来の雇用機会に対する不安から抗議活動が起きている。これは、若年層の労働市場に対するストレスが高まっていることを示している。

こうした課題に対応するため、インドネシアのプラボウォ大統領は、社会保障プログラムの拡充による財政支援を進めている。具体的には、無料の食事提供、電気料金の割引、最低賃金の引き上げなど、生活を支える施策が導入されている。こうしたポピュリズム的な政策は、今後同様の問題に直面した場合、他の新興アジア諸国の政策担当者がどのように対応するかを示唆していると言える。

結論

世界の労働市場は、景気循環的な要因と構造的な要因の両方によって大きく変化している。地域ごとに状況が異なるため、個別に対応した政策が求められる。こうした複雑な労働市場の動向に対しては、積極的な政策運営が不可欠である。これらの変化は、政治、経済成長、中央銀行の政策、市場に深い影響を及ぼすことになる。

— CIOマイケル・ブキャナンCFA

労働市場の変化は国・地域によって大きく異なるが、共通して政治や経済、市場に大きな影響を与える。背景には、景気循環的な要因だけでなく、人口構造の変化や技術革新などの構造的な要因がある。各国政府は、労働人口の減少、社会保障費の増加、移民労働への反発、若年層への雇用機会の創出など、難しい課題に直面している。現時点では市場はこれらの課題を大きな懸念材料とはしていない。しかし、政策運営の誤りが生じれば、長期債のリスクプレミアムや市場のボラティリティが高まる可能性がある。

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