前代未聞のコロナ禍の直後、インフレ率が歴史的高水準で推移し、ボラティリティが絶えず市場を左右していたことを背景に、経済の不確実性が支配的なテーマでした。「基本的な見通し」では、成長の鈍化とインフレ率の緩やかな低下を予想していますが、市場における様々なシナリオにより起こりうる潜在的な結果について見極める必要性を認識しています。 ここでは、3つの異なるシナリオ、予想される運用への影響、および当社が最も適切と考えるソリューションをご紹介します。

基本的な見通し:成長率が鈍化し、インフレ率は緩やかに低下する
シナリオ
- 世界経済は底堅く推移し、米国経済は減速するも景気後退は回避
- コモディティ価格の安定を一因とし、世界的なインフレは継続的に後退
- 将来の利下げに対する市場の期待が加速
運用方針
- インカムとトータル・リターン獲得を目的とし、高品質で高利回りの分散が効いた戦略を選好
- 特に社債などのスプレッド・プロダクトはアウトパフォームする見込み
- 金利圧縮にもプラスに働くだろう
ソリューション
- グローバル債券総合型
- マルチアセット・クレジット
- ストラクチャード・プロダクト
- 米国コア/コアプラス
- 米国ハイ・クオリティ・ハイ・イールド社債

楽観的な見通し:「ゴルディロックス」相場の再来
シナリオ
- 中国の景気回復が世界の経済成長を後押し
- 米国経済はソフトランディング
- エネルギー価格下落により、世界的にインフレは想定以上に下振れる
- 世界的に金融情勢は正常化へ
運用方針
- 過度なインフレをもたらす急速な経済成長ではなく、景気後退を回避する安定的な経済成長を想定
- 社債やトータル・リターンに焦点を当てた戦略を選好
- FRBが利下げを用いて景気を下支えることが可能なため、当シナリオにおけるリスクは限定的
- 米ドルが小幅に軟化するため、信用スプレッドは僅かに縮小すると予想
ソリューション
- 現地通貨建てエマージング・ダイバーシファイド
- グローバル・クレジット
- グローバル・マルチ・セクター
- 米国ハイ・イールド社債/米国バンクローン
- マクロ・オポチュニティーズ
- ストラクチャード・プロダクト/米国エージェンシーMBS
- 米国長期債/長期社債

悲観的な見通し:逆風が強まる
ハードランディングシナリオ
- グローバルで経済成長が大幅に鈍化
- リファイナンス・リスクとデフォルト・リスクが、先進国企業およびエマージング・ソブリンの発行体で上昇
- FRBや他の中央銀行は、経済・金融情勢を支えるために利下げを前倒し
運用方針
- 信用スプレッドの拡大や市場のボラティリティ上昇を乗り切るためのディフェンシブな戦略を支持
ソリューション
- 米国コア
- 米国国債*
- 米国地方債(高格付け)
スタグフレーションのシナリオ
- 世界経済の成長は停滞または減速
- 総合インフレ率およびコア・インフレ率共に長期間、高水準で推移
- FRBや他の中央銀行がタカ派的スタンスを再会し、追加利上げを示唆
運用方針
- インフレの勢いが持続的に弱まる兆しが見えるまで、キャッシュベースでインフレからの保護をポートフォリオに組み込む戦略を選好
ソリューション
- 米国インフレ連動債
- 米国エンハンスト・リクイディティ
- 米国リクイディティ
- 米国インフレ連動債(TIPS*
- グローバル & 米国短期債
2024年1月31日現在
シナリオおよび運用方針は例示を目的としたものであり、ウエスタン・アセットの洞察および経験に基づくものです。運用方針は市況により変更する場合があります。ソリューションは、投資家のポートフォリオ全体の中で検討されるべきものとしてご提示したものです。
*カスタマイズ戦略。詳細は営業担当者までお問い合わせください。